福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2015年12月14日月曜日

第19回抄読会予定


【日時】
2016/1/7(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
いぶき薬局 中島

【お題】
下痢に整腸剤はよく見かける処方だが、急性(感染性)胃腸炎による下痢症状に整腸剤は有効なのか?
 
【読む論文】
BMC Public Health. 2013;13 Suppl 3:S16.

【勉強してきたほうが良いこと】

・一般的な下痢への対処方法
・プロバイオティクスってなに?
 

2015年12月4日金曜日

第18回抄読会まとめ(エゼチミブのスタチンとの併用は有効?)


【日時】
2015/11/19(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本

【お題】
日常の調剤で、スタチンと併用、もしくは単独でエゼチミブが処方されることがままある。
アメリカでは近年食事中のコレステロール量は寄与度が少ないと言われているようなので、エゼチミブを服用することの意義を確認したい。 
 
【読んだ論文】
N Engl J Med. 2015 Jun 18;372(25):2387-97.

************************************
P 急性冠症候群で入院歴のある50歳以上の男女
I  シンバスタチン40mg + エゼチミブ10mg
C シンバスタチン40mg + プラセボ
O 心血管死、主要冠動脈イベント(非致死性心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症、
  割付から30日以上経過後の冠血行再建術)、非致死性脳卒中の複合エンドポイント
 
<割付>
ランダム割付
層別化:脂質低下療法の有無、冠症候群の種別、GP IIb/IIIa受容体拮抗薬使用の有無
Baselineはだいたい同じ
<盲検化>
医療者:〇、患者:〇、評価者:?、解析者:?
<その他>
ITT解析
追跡率 エゼチミブ併用群:6868/9067(75.7%) シンバスタチン単独群:6860/9077(75.6%)
脱落率 エゼチミブ併用群:4773/9067(52.6%) シンバスタチン単独群:4909/9077(54.1%)
サンプルサイズ α=0.0394, power = 90% 相対リスクを9.375%減少で、5250例
 
<Outcome>
Primary Outcome
 エゼチミブ併用群    2572/9067(32.7%)
 シンバスタチン単独群 2742/9077(34.7%)
 Hazard ratio 0.936 (0.89 to 0.99), NNT 50人/7年
************************************ 

 
【読んでからのディスカッション】
・エゼチミブで血管肥厚とかではないアウトカムの試験は、現状これのみのはず。
・スタチン使ってもLDLが高い場合に併用という選択肢は妥当性が高いのかもしれない
・試験中のシンバスタチンの用量が多い。日本では最大20mg
・目標LDL値が日常目にする値よりだいぶ低い。実際の値も平均値が50-60mg/dLで低い
・ストロングスタチンと比較するとどうなのかが気になる
・日常ではエゼチミブ単独処方も見かけるけど、なんでだろう。
・エゼチミブは薬価が199.9円で意外と高い
・プロトコル変更の記載があるけどどう考えたらよいのかが分からない

【ロールプレイング】
スタチンを飲んでいてゼチーアが追加になった人への服薬指導
 
 
【抄読会後追記】
 
LDL79mg/dL以上の場合はシンバスタチンを80mgまで漸増するプロトコルだったが、
漸増中の患者+80mg服用1年未満の患者は40mgへ容量を戻した上、
試験中にプロトコルが変更になっている。
FDAの推奨では、アムロジピン、ラノラジン併用の場合は20mgまでだが、
そちらは用量を変更せずに継続。
 
LDL>79mg/dL シンバスタチン80mgまで増量
LDL>100mg/dL 試験中止→より強力な治療開始

2015年11月5日木曜日

第18回抄読会予定


【日時】
2015/11/19(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本

【お題】
日常の調剤で、スタチンと併用、もしくは単独でエゼチミブが処方されることがままある。
アメリカでは近年食事中のコレステロール量は寄与度が少ないと言われているようなので、エゼチミブを服用することの意義を確認したい。 
 
【読む論文】
N Engl J Med. 2015 Jun 18;372(25):2387-97.

【勉強してきたほうが良いこと】
・エゼチミブの薬効・薬理

・コレステロールの代謝経路
・Dietary guidelines for Americans 関連の記事
 http://www.afpbb.com/articles/-/3040196
 https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_001203.html
・アメリカ心臓協会の記事
 http://blog.heart.org/qa-federal-nutrition-panels-advice-dietary-cholesterol/

 

2015年10月26日月曜日

第17回抄読会まとめ(SGLT-2阻害薬の有効性)

【日時】
2015/10/22(木) 19:00~
 
【場所】
コロニーハウス
※やっていない場合は最寄のモスバーガー
 
【担当】
みずき薬局 馬場
 
 

【お題】
SGLT-2阻害薬の処方日数制限もきれ、処方される方も増えてきたので、SGLT-2阻害薬の有効性について学習する。
  
【読んだ論文】
P 18歳以上のBMI≦45、eGFR≧30mL、7.0≦HbA1c<9.0(治療している場合は10.0)
  の心血管疾患既往の糖尿病患者
I  Empagliflozin 10mg または 25mg
C プラセボ
O 心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合アウトカム
 
平均3.1年追跡のRCT
 
<割付>
Empagliflozin 10mg、25mg、プラセボに1:1:1にランダム化割付
コンピューター作成の乱数表に基づいて、音声かweb応答のシステムを使用
層別化:HbA1c(<8.5、≧8.5)、BMI(<30、≧30)、eGFR(30~59、60~89、≧90) 、地域
<ベースライン>
群間ではだいたい比率は同じ。
人種:白人71%、アジア人22%
性別:男性71%
体重:86kg ± 19kg
BMI:30 ± 5
HbA1c:8.0 ± 0.8
eGFR:<60:26%、60≦ <90:52%
心疾患:冠動脈疾患(75%)、心筋梗塞既往(46%)、冠動脈バイパス術既往(24%)、脳卒中既往(23%)
 
<解析など>
modified ITT
 →割付後、1回も薬を服用していない人は除外:8人
 →イベントがなかった人は最終確認時点で打ち切り
脱落率:Empagliflozin23.4%、プラセボ29.3%
盲検化:2重盲検
サンプルサイズ:イベントが691件発生でpower90%
fund:ベーリンガーインゲルハイム、イーライリリー
 
<outcome>
心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中
 プラセボ       282/2333  43.9人/1000人年
 Empagliflozin    490/4687  37.4人/1000人年
 HR 0.86 (0.74 - 0.99)
***********************
 
【読んでからのディスカッション】
・心血管のアウトカムが改善するのは斬新
・非劣性の記載があるので、最初は差が付くとは思っていなかった?
・サブ解析の死亡は減るけど、心筋梗塞、脳卒中の有意差なしはどう解釈したらよい?
・試験の対象患者が、普段見かけないような重病人?なので、結果を一般化はできないかも。
・既存の治療に対してEmpagliflozinを追加する試験デザインだが、
 メトホルミン、インスリン使用例に対して処方されるのを働いていてまだ見たことが無い。
・普段は単独処方やDPP-4との併用が多く来るような印象
・BMI30で86kgだと、身長は170cmくらいが平均?
・HbA1cは服用開始はがんと下がるが、3年たつと元の値に近づいてくるのはなぜ?
・体重は服用開始後2kg程度下がってそこから横ばい。
・SGLT-2阻害薬が、内因性グルカゴンを増やすとか聞いたが関係あるのか?
・血圧は利尿効果で4mmHg程度さがるらしい。血圧低下による死亡率↓の影響はあるのか?
・脱落例でプラセボの方が副作用が多いのはなぜ?
・primary outcomeのNNT=154人/年

【ロールプレイング】
SGLT-2阻害薬の初回指導
(日常の患者さんに対する外的妥当性の懸念から、読んだ論文の内容は用いなかった)

2015年10月8日木曜日

第17回抄読会予定


【日時】
2015/10/22(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
SGLT-2阻害薬の処方日数制限もきれ、処方される方も増えてきたので、SGLT-2阻害薬の有効性について学習する。
 
【読む論文】
N Engl J Med. 2015 Sep 17. DOI: 10.1056/NEJMoa1504720

【勉強してきたほうが良いこと】
SGLT-2阻害薬の薬効、薬理

2015年9月30日水曜日

第16回抄読会まとめ(にきびへのBPOとアダパレンの効果の違い)


【日時】
2015/9/14(月) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c

【担当】
いぶき薬局 中島

【お題】
2015年4月に尋常性痤瘡治療薬のベピオゲルが薬価収載されたが、
現状使用されている治療薬と比較または、組み合わせによる有効性はどうなのか?
 
【読んだ論文】
Cutis. 2009 Aug;84(2):110-6.

******************************************
P 12歳以上の男女で、顔のにきびが acne severity scale で3(中等度)
I  過酸化ベンゾイル+アダパレン
C 過酸化ベンゾイル単独、アダパレン単独、基剤のみ
O ニキビ治療の12週後の奏功率
 
<割付>
1:1:1:1になるようにランダム化割付(詳細不明)
ベースラインは大体同じ
<解析>
最終受診時の結果を最終結果とするLOCFで、ITT解析
脱落239/1668=14.3%
<マスキング>
doubleblindと記載あり
<サンプル数>
どう計算したかは。記載なし
 
<outcome>
ニキビ治療の奏功率
 Adapalene+BPO  30.1%
 Adapalene      22.2%
 BPO          19.8%
 Vehicle         11.3%
******************************************
 
【読み終わってからのディスカッション】
・乾燥肌の場合は、治療薬以外にもCetaphil(http://www.cetaphil.jp/)を使っていたり、
 肌のケアは大切なのかもしれない。
・両方の製造元のGaldermaによる試験。
・有意差があるかは分からないがAdapalene vs BPO のNNTは42人(12週)
AdapalenとBPO単独ではあまり効果に違いはないかも。副作用は少しBPOが少ない?
・Adapalen+BPOで奏功率があがるが、副作用も増える傾向あり。
・Adapalen+BPOは副作用(赤み、乾燥、落せつ、刺激感、熱感)が早期に多い
・一緒にぬる場合は、どの順序でぬるのがよいのか?
 →後日メーカー問い合わせ
  特に指定はない。治験時の順序としては、
  (1)洗顔→(2)BPO→(3)Adapalen
  (1)洗顔→(2)化粧水→(3)BPO→(4)保湿剤+日焼け止め+化粧
・BPOは、ラジカル反応だが、日光での反応促進を考慮して朝に洗顔はしなくても良いのか?
 →後日メーカー問い合わせ
  特に必要ないとのこと。薬剤使用前の洗顔は必ずしてほしいといわれた。
 
【ロールプレイング】
Adapalenを使用していて、BPOが追加になった患者さんへの服薬指導

2015年8月24日月曜日

第16回抄読会予定



【日時】
2015/9/14(月) 19:00~

※延期になりました。

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
いぶき薬局 中島

【お題】
2015年4月に尋常性痤瘡治療薬のベピオゲルが薬価収載されたが、
現状使用されている治療薬と比較または、組み合わせによる有効性はどうなのか?
 
【読む論文】
Cutis. 2009 Aug;84(2):110-6.

【勉強してきたほうが良いこと】
ベピオゲルの薬効・薬理→マルホのwebページ

2015年8月10日月曜日

第15回抄読会まとめ(Xa因子阻害薬とワーファリンの効果はどのくらい違うの?)


【日時】
2015/8/77(金) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/
【お題】
最近処方をよく見かけるようになったNOACs(非ビタミンK阻害経口抗凝固薬:Non-vitamin K antagonist oral anticoagulants)について。ワーファリンと比較して薬価差が大きく患者さんから質問されることもあるが、その有効性と安全性はどのくらい違うのか?

【読んだ論文】

*************************************
P 心房細動の患者
I  Xa因子阻害薬
C VKA阻害薬(ワーファリン等)
O 脳卒中+全身性塞栓症
 
<検索>
MEDLINE、EMBASE、CENTRAL、STD、ClinicalTrials.gov、CCT、google scholar
参考文献まで調べた。著者、製薬企業と連絡を取った。英語以外の言語も検索
<対象>
心房細動の患者にXa因子阻害薬とVKA阻害薬を比較した期間が4週以上のRCT
<出版バイアス>
ファンネルプロットで検討
<risk of bias>
コクランのツールで、2名が独立して評価。
不一致は、外部の専門家を交えて、合意を形成して解決した。
 
<outcome>
脳卒中+全身性塞栓症(12週-1.9年)
Xa因子阻害薬  2.5%
VKA阻害薬    3.2%
RR = 0.82 (0.73 to 0.91, I2=0.0%),  NNT = 143 人
 
*************************************
 
【読んでからのディスカッション】
・ワーファリンより効果がよいのに、副作用の出血は少し減るらしい
・NNTは143人で効果の差がそんなに大きくないけど、起こると大変なリスクを減らせるのは良い?
・1日薬価が20倍くらいちがうので、希望しない患者さんもいるかも(約500円/日と数十円/日)
・1日の薬価差が400円として、1ヶ月で1万2千円、1年で14万4千円。
・INRをしっかりコントロールできるなら、ワーファリンでも良いのかも。
・半減期が短いので、切り替えとか入院時はXa因子阻害薬の方が楽かも。
・納豆食べれるよとDrに言われて変更になった人がいたが、薬代に驚いていた人がいた
・結果の大部分(80-90%)は、アピキサバン(エリキュース)とリバーロキサバン(イグザレルト)
・毎回採血しなくても良いというのは楽だけど、腎機能で調節が必要だから結局定期的に採血はするの?
 
【ロールプレイング】
納豆が食べられると聞いて薬を変えてもらったが、薬代が高いと驚く人への対応

2015年8月4日火曜日

第15回抄読会予定



【日時】
2015/8/77(金) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/
【お題】
最近処方をよく見かけるようになったNOACs(非ビタミンK阻害経口抗凝固薬:Non-vitamin K antagonist oral anticoagulants)について。ワーファリンと比較して薬価差が大きく患者さんから質問されることもあるが、その有効性と安全性はどのくらい違うのか?
【読む論文】
 

 

2015年7月27日月曜日

第14回抄読会まとめ(LT阻害薬とステロイドの吸入の予防効果はどのくらい違うのか?)


【日時】
2015/7/17(金) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/mizuki/
【お題】
ステロイドの吸入をしている子と抗ロイコトリエン薬内服を継続服用している子がいるが、小児ぜんそくの発作予防としてはどちらが効果的なのか?
【読んだ論文】

 
**************************************
P 小児(2歳~17歳)と成人(18歳~)の持続性ぜんそく患者
I  ロイコトリエン拮抗薬の経口投与
C ステロイドの吸入薬
O 全身性のステロイド投与が必要な憎悪が1回以上あった人数
 
<検索>
CENTRAL, MEDLINE, EMBASE, CINAHL, AMED, PsycINFO
抄録の手検索もあり。1名が実施
<対象>
RCT
<評価>
chocraneのrisk of bias ツールを使用
2名が独立して評価し、不一致は合意を形成した。
<出版バイアス>
ファンネルプロットで検討
<outcome>
全体(21試験6077名)
RR 1.51 (1.17 to 1.96, I2=42%)  NNT 28人 (15 - 82)
小児(6試験1662名)
 RR 1.35 (0.99 to 1.86 I2=43%)
 
**************************************
 
【読んだあとのディスカッション】
・異質性は中程度
・発作の回数も吸入ステロイドの方が良い傾向
・2次アウトカムのぜんそく症状の改善は、だいたい吸入ステロイドの方が良い
・単独使用だと1日あたりの値段は余り変わらない。
 
【ロールプレイング】
・ロイコトリエン拮抗薬を飲んでいる小児の親で心配していないパターン
・心配しているパターン

2015年7月6日月曜日

第14回抄読会予定


【日時】
2015/7/17(金) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/mizuki/
【お題】
ステロイドの吸入をしている子と抗ロイコトリエン薬内服を継続服用している子がいるが、小児ぜんそくの発作予防としてはどちらが効果的なのか?
【読む論文】
 
【参考】

 

2015年6月19日金曜日

第13回抄読会まとめ(モンテルカスト単独でも小児ぜんそくの予防になる?)


【日時】
2015/6/18(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/mizuki/
【お題】
モンテルカスト(シングレア、キプレス)やプランルカスト(オノン)を継続して飲んでいる子どもがいるが、小児ぜんそくの予防として抗ロイコトリエン薬の単独服用は効果があるのか?

【読んだ論文】

P 2歳~5歳のぜんそく既往の小児
I  モンテルカスト チュアブル錠 4mg
C プラセボ
O ぜんそく症状の改善?
 
<割付>
モンテルカスト2:プラセボ1でランダム化割付。他は記載なし
ベースラインは同じくらい。
<解析>
ITT
脱落10%
<マスキング>
患者:〇、治療:〇、評価:〇?、解析:?
<サンプル数>
α=0.05,powe=90%で、有害事象発生率が7.8%対1%と仮定して、
モンテルカスト群340例、プラセボ170例
 <outcome>
経口ステロイドの必要だった人
 プラセボ:28% モンテルカスト:19% P=.008  RR=0.68 NNT=11(12w)
1回以上ぜんそく発作のあった人
 プラセボ:32% モンテルカスト:26% P=.107
 
【ディスカッション】
・割付方法が書いてないので詳細分からないが、ベースラインは同じようなので問題ない?
・試験前1ヶ月以内に入院等があった人は除外しているので、軽~中等度の人が対象
・アウトカムがたくさん設定されていて、どれが1次アウトカムなのかが不明
・各アウトカムのP値を.05で見てよいのかが疑問
・咳等症状は軽くなる傾向みたいだが、QOLはあまり変化なし
・発作頻度は減るみたい。吸入できない子どもでも飲めるし、重症化しないのなら有用かも。
・薬価が高い(モンテルカストチュアブル5mg208円、細粒4mg:212.2円)
 12週で17472円、NNT=11なので1人発作を減らすのに192192円は高い?

【ロールプレイング】
ぜんそくでモンテルカストを継続している3歳時の親から質問への回答
・たまに苦しくなるようで心配している場合
・調子が良さそうのなので薬は続けなくてはだめか?と言われた場合

2015年6月4日木曜日

第13回抄読会予定


【日時】
2015/6/18(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/mizuki/
【お題】
モンテルカスト(シングレア、キプレス)やプランルカスト(オノン)を継続して飲んでいる子どもがいるが、小児ぜんそくの予防として抗ロイコトリエン薬の単独服用は効果があるのか?
【読む論文】
 
【参考】

2015年5月19日火曜日

第12回抄読会まとめ(H2阻害薬は認知機能を落とす?)

【日時】
2015/5/15(金) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
いぶき薬局 中島
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/
【お題】
H2ブロッカーが認知機能を低下させる可能性があると言われている。
服用により、どれほどリスクが上昇するのか知りたい。

【読んだ論文】
P 65歳以上のアフリカ系アメリカ人
E H2阻害薬の使
C H2阻害薬を使わなかった人
O CSI-Dスコアが poor-performance groupsに変化した人の割合
 
コホート研究5年追跡
<コホート>
インディアナポリスの水道会社の所有する60%に当たる住所をランダム抽出
7590件抽出し訪問→2582人が適格→2212人が試験に登録
<暴露>
薬剤の使用の有無についてインタビューで調査
<記載のある交絡因子>
年齢、性別、教育、飲酒、既往症(高血圧、糖尿病、脳卒中、うつ病)
併用薬(抗脂血症治療薬、抗血栓薬、アスピリン、ベンゾジアゼピン、抗コリン作用のあるもの)
<その他>
アウトカム測定者のマスキング:不明(たぶんされていない)
ロジスティック回帰モデルで調整
追跡率:70%?
2212人→ベースラインで不適格を除いた1900人→試験終了1558人

<アウトカム>
CSI-Dスコア  poor-performance groupsの割合
never-users(n=1355)     17.0%
intermittent users(n=165)  19.4%  調整OR = 1.17 (0.76–1.81)
continuous users(n=38)   34.2%  調整OR = 2.42 (1.17–5.04)

【読んだあとのディスカッション】
・ランダム抽出後の脱落が多いのと、H2阻害薬の連続服用者の人数が少ないのは微妙?
・DSI-Dスコアがどのくらいだったかは文中に記載が無い
・使ったり止めたりするような使用方法だと認知機能への影響は少ないらしい
・なんで対象をアフリカ系アメリカ人に限定しているのかはよく分からない。
・他の参考文献の Case Rep Oncol. 2012 May;5(2):409-12. によると
 PPIではせん妄が起きづらく、H2阻害薬だとせん妄が起こりやすい様子。
 (割付やブランド等は、不明だけど)
 H2阻害薬の服用を中止するとせん妄は改善傾向になるらしい
・他の参考文献の J Am Geriatr Soc. 2011 Feb;59(2):251-7. によると
 認知症やアルツハイマーの発症リスクはあまり変わらないらしい?
・PPI使用によって、肺炎の増加や骨折リスクの増加が知られているので、
 H2阻害薬でせん妄が起こるから、PPIを使用すればよいとは単純にいえないと思う
・認知症もしくは、認知機能の低下が疑われる人はPPIの方が良いのかも。

【ロールプレイング】
テレビの報道を見て気にしている患者さんからの質問にどう応対するか?
 
【参考】

2015年4月20日月曜日

第12回抄読会予定


【日時】
2015/5/17(金) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
いぶき薬局 中島
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/mizuki/
【お題】
H2ブロッカーが認知機能を低下させる可能性があると言われている。服用により、どれほどリスクが上昇するのか知りたい。
【読む論文】
 
【参考】


2015年4月4日土曜日

第11回抄読会まとめ

【日時】
2015/4/2(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/
【お題】
高齢者のうつにSSRIが処方されることがあるが、SSRIを服用していると転倒リスクが高くなることが懸念されている。骨折リスクについて、他の抗うつ薬や抗不安薬と比較してどうかを調べる。
前回のは症例対照研究だったので、コホート研究のをリベンジ。

【読んだ論文】

P 50歳以上のカナダ人
E SSRI・SNRIを使用した人
C SSRI・SNRIの使用歴のない人
O 骨折

 コホート研究
 
<暴露>
ランダムに抽出した集団に対し、0年、5年、10年の時点ででSSRI、SNRIの使用を自主報告
シタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、venlafaxine
<記載のある交絡因子>
年齢、学歴、雇用形態、定期的な運動の有無、動かない時間、飲酒、喫煙、併存疾患数
うつ病の有無、脊柱奇形、BMD、併用薬
<その他>
masking:不明
コックス比例ハザードモデルで調整
追跡率:6645 → 5556(5年目:84%) → 4011(10年目:60%)
 
<outcome>
骨折(骨折は年1回のアンケート調査で確認)
non-user ?/3678
user    ?/333
HR = 1.88 (1.48 – 2.39)
 
【読んだあとのディスカッション】
・アンケート調査によるものなので、どの程度信頼してよいかが疑問
・脱落率が高いのでランダム抽出が保持されているかが微妙
・結果については前回の症例対照研究とあまり変わらないみたい
・maskingはアンケート調査なのでされていないと思うのがよいか?
・感度分析からSSRI・SNRIを中止して数年立てば徐々に骨折リスクは低下してくるらしい。
・この論文を選んだのはまちがいだったかもしれない。。
 
【ロールプレイング】
・SSRIを服用している高齢者に新規でビスホスホネート製剤が処方されてきた場合の服薬指導

 

2015年3月25日水曜日

第11回抄読会予定


【日時】
2015/4/2(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/
【お題】
高齢者のうつにSSRIが処方されることがあるが、SSRIを服用していると転倒リスクが高くなることが懸念されている。骨折リスクについて、他の抗うつ薬や抗不安薬と比較してどうかを調べる。
前回のは症例対照研究だったので、コホート研究のをリベンジ。
【読む論文】
Osteoporos Int. 2014 May;25(5):1473-81.
 
【勉強しておいたほうが良いこと】
SSRIの薬理

2015年3月6日金曜日

第10回抄読会まとめ(SSRIは骨折のリスクを増やす?)

【日時】
2015/3/5(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/

【お題】
高齢者のうつにSSRIが処方されることがあるが、SSRIを服用していると転倒リスクが高くなることが懸念されている。骨折リスクについて、他の抗うつ薬や抗不安薬と比較してどうかを調べる。

【読んだ論文】
Osteoporos Int. 2013 Feb;24(2):671-80.

P デンマーク国民
E SSRIの服用
C TCA、他の抗不安薬の服用
O 骨折リスク

レジストリ検索による症例対象研究
 
<集計>
個人がユニーク番号を持つ、デンマークの公的EHRから情報を収
症例群:2000年1月1日~12月31日 骨折の記録があった人 (n=124,655)
対象群:同じEHRから年齢と性別の比率が同じになるようににランダムで抽出 (n=373,962)
<暴露>
TCA(アミトリプチリン, クロミプラミン, ドスレピン, doxepin, イミプラミン, ノルトリプチリン, trimipramine, マプロチリン)
SSRI(citalopram, エスシタロプラム, fluoxetine, フルボキサミン, パロキセチン, セルトラリン)
他の抗うつ薬 (ミアンセリン, venlafaxine, ミルタザピン, reboxetine, socarboxazid, moclobemide)
(日本未承認は、ローマ字にした
<調査済みの交絡因子>
収入、配偶者の有無、職種、チャールソン併存疾患指数、骨折既往歴、併用薬、精神疾患の既往
<outcome>


















 

【読んでからディスカッション】
・若い人では、抗不安薬の方が抗うつ薬より骨折リスクがあがるみたい。
・高齢者は、SSRIによる骨折リスクが高いみたい。
 →生理学的にセロトニンが骨芽細胞を抑制して骨密度が下がりやすくなるらしい。
高齢者のSSRIによる骨折リスクは用量依存的に増えるようだ。
・その他の抗うつ薬は日本の承認外のものが多いので、比較対象としては微妙。
・骨粗鬆症の既往歴や喫煙率が同じかは不明。
 
【薬局でできそうなこと】
・SSRI服用中で骨粗鬆症の治療をされていない人にはサプリメントを勧めても良いかもしれない
・服薬指導時に高齢者の場合は骨折リスクや転倒注意の説明をするのもよいかも。

2015年2月24日火曜日

第10回抄読会予定


【日時】
2015/3/5(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/
【お題】
高齢者のうつにSSRIが処方されることがあるが、SSRIを服用していると転倒リスクが高くなることが懸念されている。骨折リスクについて、他の抗うつ薬や抗不安薬と比較してどうかを調べる。
【読む論文】
Osteoporos Int. 2013 Feb;24(2):671-80.
 
【勉強しておいたほうが良いこと】
SSRIの薬理

2015年2月5日木曜日

第9回抄読会まとめ(ワーファリンと抗血小板薬の併用)



【日時】
2015/2/4(水) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/mizuki/

【お題】
不整脈(心房細動等)でワーファリンを服用している方がいるが、抗血小板薬(アスピリン、パナルジン、プラビックス等)を併用している場合では、ワーファリン単独と比べてどの程度出血リスクが高くなるのか?

【読んだ論文】
Arch Intern Med. 2010 Sep 13;170(16):1433-41.

P 心房細動と診断され退院した30歳以上の患者
I  アスピリン、クロピドグレル単独、もしくはワーファリンとアスピリン、クロピドグレルの併用
C ワーファリン単独
O 致死性、非致死性の出血

デンマークのEHRのデータベース解析による後向きコホート研究(レジストリ研究)

<期間>
1997.1.1~2006.12.31
<解析>
cox比例ハザード回帰モデル
ベースラインの年齢、性別、治療期間、並存疾患、併用薬について調整

<outcome>
126,837人が心房細動で入院、118606人(93.5%)が生存して退院。
内82854人(69.9%)がワーファリンもしくは抗血小板薬を使用。
平均追跡期間:3.3年(SD=2.7)











【読んでからのディスカッション】
・ワーファリン単独と比較して、抗血小板薬を併用すると、出血リスクが約2~3倍増えるみたい
・特にクロピドグレルの併用はバイアスピリンよりも出血リスクが高い
・服用開始してから3ヶ月~半年程度までが出血がより多いようだ
・観察研究なので不明瞭だが、併用療法でもの凄く血栓が減るということはなさそう?
・クロピドグレルは薬価が高い。
・チクロピジンは、構造的にクロピドグレルより少し落ちるくらいで考えればよいか?
・併用療法の観察期間が総じて短いが、どの程度結果に影響を与えているのかはよく分からない
・どんな患者さんが併用療法の対象になるのかが分からない。

【薬局でできそうなこと】
・併用療法を行っている患者さんへの出血に対する注意喚起。併用薬についての指導
・追加になった場合は薬効の違いについて説明して理解してもらうよう努める

【ロールプレイング】
ワーファリン服用中にバイアスピリンが追加になった場合の服薬指導。
抗凝固薬と抗血栓薬の薬効の言い分け。高齢者でも分かるように。

2015年1月13日火曜日

第9回抄読会予定



【日時】
2015/2/4(水) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/mizuki/
【お題】
不整脈(心房細動等)でワーファリンを服用している方がいるが、抗血小板薬(アスピリン、パナルジン、プラビックス等)を併用している場合では、ワーファリン単独と比べてどの程度出血リスクが高くなるのか?
【読む論文】
Arch Intern Med. 2010 Sep 13;170(16):1433-41.
 
【勉強しておいたほうが良いこと】
後ろ向きのコホート試験って?
ワーファリン、抗血小板薬の作用機所
参考:心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)

2015年1月9日金曜日

第8回抄読会まとめ(デスモプレシン製剤の副作用の違い)

【日時】
2015/1/7(水) 19:00~


【場所】
コロニーハウス  →  最寄のモス
https://goo.gl/maps/SjJ9c

【担当】
いぶき薬局 中島
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/ibuki/

【お題】
デスモプレシンの錠剤のミニリンメルトが2012年に発売されている。警告として「水中毒」があるが、子供の夜尿症へ使用した場合、どれくらいの頻度で起こるものなのか?また、同成分の点鼻薬と比較してどうなのか?

【読んだ論文】
J Urol. 2007 Jul;178(1):24-30.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17574054
 
P 18歳以下の夜尿症患者
I  デスモプレシンの経口製剤(錠剤、口腔内崩壊錠)
C デスモプレシンの点鼻製剤(スプレー、液)
O 副作用(低Na血症等)の頻度
 
臨床試験、症例報告、市販後調査(PMS)のシステマティックレビュー
 
<検索>
MEDLINE(1972-2006)、フェリングファーマの市販後調査資料(1972-2005)
英語の文献のみ検索
<対象>
小児夜尿症に対するデスモプレシン製剤の臨床試験、症例報告
 
<結果>
低Na血症の報告数
経口製剤  MEDLINE 0例
        PMS      6例
点鼻製剤  MEDLINE 48例
        PMS      145例
 
【読んでからのディスカッション】
・症例報告のみで頻度で比較できないので、どの程度多いのかは分からない。
・introductionにefficacyと記載があるが、有効性の違いについては検討していない。
・点鼻製剤が1981年、錠剤が1987年、口腔内崩壊錠が2005年の発売なので、
 よほど経口製剤の処方量が少なくない限りは低Na血症の発生頻度は低いと考えて良い?
・経口製剤と点鼻製剤を直接比較しているような文献は見つけられなかった。
・点鼻製剤の方がなぜ低Na血症の頻度が高いのかがよく分からない?
 点鼻という経路だと吸収が安定しないのか?
・インタビューフォーム見ると極端にT1/2やTmax、Cmaxが異なるということはなさそう
 
【薬局でできそうなこと】
・点鼻製剤→経口製剤への変更の提案
・経口製剤で低Na血症を起さない様に適切に服薬指導・モニタリングを行う。
・薬だけで夜尿症が改善するわけではないので、病院で行われている生活指導への協力が大切