福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2018年1月26日金曜日

第40回抄読会まとめ(ARBとACIの併用のメリット・デメリットは?)


【日時】
2018/1/22(月) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】

いぶき薬局 中島

【お題】
高血圧ガイドラインでも推奨されていないARBとACEIの併用の害はどのくらい?

【読んだ論文】
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P 55歳以上冠動脈疾患、末梢血管疾患、脳血管疾患の既往、
  終末期障害を伴う糖尿病の疾患を持つ人
I  テルミサルタン(TRM)
   テルミサルタン+ラミプリル(T+M)
C ラミプリル(RAM)
O 心血管死、心筋梗塞、脳卒中
  心不全による入院の複合アウトカム

単独群の非劣性試験
単独と併用の優越性試験

〈割付〉
ラミプリル2.5mg→テルミサルタン40mg
→ラミプリル2.5mg+テルミサルタン40mg
→ラミプリル5mg+テルミサルタン80mg
で、盲検下で忍容性を確認してから割付
(3399/29019が脱落)

自動電話サービスを用いて、
層別化して置換ブロック方式で割付
TRM:T+R:RAM=1:1:1

〈ベースライン〉
大体同等

〈ブラインド〉
double blindと記載あり

〈追跡・症例数など〉
解析 ITT
脱落 TER 1796人 (21.0%)
   T+R 1929人 (22.7%)
   RAM 2029人 (23.7%)
サンプルサイズ
 HOPE trialで、アウトカム発生が0.0397/年
 α=0.125(3群比較なので)
 7800人を4.5年追跡で、
 優越性 power=93% HR=0.89を想定
 非劣性 power=89% HR=1.00を想定
マージン 片側<1.13

〈アウトカム〉
Primary outcome
 TER vs RAM RR = 1.01 (0.94 to 1.09)
 T+R vs RAM RR = 0.99 (0.92 to 1.07)
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【読んでからのディスカッション】
・アウトカムは変わらない割に、
 腎障害や透析は増えるからメリットは薄いかも
・T綜合病院は、尿蛋白+の人に併用で出てる(論文のサブ解析の結果に合致)
・忍容性があれば、むしろACEIで良いんじゃないかしら?安いし。
・忍容性を確認してるのに20%強の脱落は多くないか?

【ロールプレイング】
ARBを飲んでいた患者さんにACEIが追加になってきた場合の疑義照会を含めた応対