福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2015年3月25日水曜日

第11回抄読会予定


【日時】
2015/4/2(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/
【お題】
高齢者のうつにSSRIが処方されることがあるが、SSRIを服用していると転倒リスクが高くなることが懸念されている。骨折リスクについて、他の抗うつ薬や抗不安薬と比較してどうかを調べる。
前回のは症例対照研究だったので、コホート研究のをリベンジ。
【読む論文】
Osteoporos Int. 2014 May;25(5):1473-81.
 
【勉強しておいたほうが良いこと】
SSRIの薬理

2015年3月6日金曜日

第10回抄読会まとめ(SSRIは骨折のリスクを増やす?)

【日時】
2015/3/5(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/

【お題】
高齢者のうつにSSRIが処方されることがあるが、SSRIを服用していると転倒リスクが高くなることが懸念されている。骨折リスクについて、他の抗うつ薬や抗不安薬と比較してどうかを調べる。

【読んだ論文】
Osteoporos Int. 2013 Feb;24(2):671-80.

P デンマーク国民
E SSRIの服用
C TCA、他の抗不安薬の服用
O 骨折リスク

レジストリ検索による症例対象研究
 
<集計>
個人がユニーク番号を持つ、デンマークの公的EHRから情報を収
症例群:2000年1月1日~12月31日 骨折の記録があった人 (n=124,655)
対象群:同じEHRから年齢と性別の比率が同じになるようににランダムで抽出 (n=373,962)
<暴露>
TCA(アミトリプチリン, クロミプラミン, ドスレピン, doxepin, イミプラミン, ノルトリプチリン, trimipramine, マプロチリン)
SSRI(citalopram, エスシタロプラム, fluoxetine, フルボキサミン, パロキセチン, セルトラリン)
他の抗うつ薬 (ミアンセリン, venlafaxine, ミルタザピン, reboxetine, socarboxazid, moclobemide)
(日本未承認は、ローマ字にした
<調査済みの交絡因子>
収入、配偶者の有無、職種、チャールソン併存疾患指数、骨折既往歴、併用薬、精神疾患の既往
<outcome>


















 

【読んでからディスカッション】
・若い人では、抗不安薬の方が抗うつ薬より骨折リスクがあがるみたい。
・高齢者は、SSRIによる骨折リスクが高いみたい。
 →生理学的にセロトニンが骨芽細胞を抑制して骨密度が下がりやすくなるらしい。
高齢者のSSRIによる骨折リスクは用量依存的に増えるようだ。
・その他の抗うつ薬は日本の承認外のものが多いので、比較対象としては微妙。
・骨粗鬆症の既往歴や喫煙率が同じかは不明。
 
【薬局でできそうなこと】
・SSRI服用中で骨粗鬆症の治療をされていない人にはサプリメントを勧めても良いかもしれない
・服薬指導時に高齢者の場合は骨折リスクや転倒注意の説明をするのもよいかも。