福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2014年9月12日金曜日

第5回抄読会まとめ(アトピーに対するステロイド:ストロング短期 vs ウィーク連日)


【日時】
2014/9/11(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス

https://goo.gl/maps/SjJ9c

【担当】
いぶき薬局 中島

http://www.aiki-ph.co.jp/shop/ibuki/

【お題】
アトピー性皮膚炎の患者さんに対して、ステロイドを用いる場合、弱いものを長期に使用するのと強めのものを短期的に使用するのは、どちらが有効か?それに伴う副作用はどうなのか?
 
【読んだ論文】
BMJ. 2002 Mar 30;324(7340):768.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11923161
 
P 1~15歳の軽度~中等度のアトピー性皮膚炎の患者
I  0.1%吉草酸ベタメタゾン軟膏(リンデロンV or ベトネベート)を週に連続3日→保湿基剤4日
C 1%ヒドロコルチゾン軟膏を連日
O number of scratch-free days (スクラッチスコア(1~5の5段階)が2以下の日数)
  number of relapses(スクラッチスコアの3以上が3日以上続いた回数)
※軟膏は1日2回塗布

<割付>
コンピュータで表を生成。4つごとのブロック割付
層別化は行われていない
<baseline>
だいたい同じ?

<隠蔽化>
患  者:〇
医療者:〇?
評価者:〇
解析者:〇

<解析>
ITTで解析?
脱落率・・・ベクロメタゾン群:12.6%(13/103)、ヒドロコルチゾン群:21.2%(22/104)
サンプルサイズ・・・α=0.05、power=90%、15%の差を検出するのに89例、脱落10%予測

<outcome>
患者さんの日誌から判定
・掻かなかった日数(スクラッチスコアが2以下。母数は18週×7日で126日?)
 ベタメタゾン群:117.5日 (99.3-125.0)  (スコアが1の日数は73)
 ヒドロコルチゾン群:118.0日(99.8-124.0)  (スコアが1の日数は85)
 P=0.53 (スコアが1の日数のP=0.70)
・悪化の回数(スクラッチスコアの3以上が3日以上続いた回数)
 
 ベタメタゾン群:1.0 (0.0-3.0)
 ヒドロコルチゾン群:1.0 (0.0-3.0)
 
 P=0.32
 ※44%(73名)から報告がなかったが、感度分析でもP=0.52

【読んだ後のディスカッション】
・保湿が前提だが、短期強いのを使うのも、弱いのを継続するのも効果に差があるとは言えない
・アトピー性皮膚炎のガイドラインは読んでも薬局でどうしたらよいのかがいまいち分からない
・ブラインドしても、ステロイド使えば状態が改善するので分かるのではないか?
・ステロイドは皮膚を薄くする作用があるらしい
・18週(約4ヶ月)で副作用は著明に出るものなのか?もう少し長いと変わるのか?
・Drによって軟膏を使う量の指示が異なるのが疑問。最近は多めにと指示するDrが多いような
・アトピーは難しい。子どもの場合は親の意向もあり、ステロイドを拒否するような家庭もある
・保湿剤+たまに強いのだと、ついついステロイドの軟膏を使いすぎてしまうのではないか?
・毎日同じ物を続けて使うほうが簡便のような気もする。

2014年9月9日火曜日

第5回抄読会予定


【日時】
2014/9/11(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス

https://goo.gl/maps/SjJ9c

【担当】
いぶき薬局 中島

http://www.aiki-ph.co.jp/shop/ibuki/

【お題】
アトピー性皮膚炎の患者さんに対して、ステロイドを用いる場合、弱いものを長期に使用するのと強めのものを短期的に使用するのは、どちらが有効か?それに伴う副作用はどうなのか?
 
【読む論文】
BMJ. 2002 Mar 30;324(7340):768.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11923161
 
【勉強しておいたほうが良いこと】
アトピー性皮膚炎ってどんな病気か?ステロイド外用剤の働き方、強さのクラスの違い