福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2018年9月10日月曜日

第44回抄読会まとめ(5:2ダイエットは有効?)


【日時】
 2018/9/5 (水)

【場所】
 コロニーハウス

【担当】
 けやき薬局 馬場

【お題】
週の2日カロリー制限をするという5:2ダイエットは、糖尿病の食事療法として有効なの?? 

【読んだ論文】
  JAMA Network Open. 2018;1(3):e180756.

【まとめ】
P 18歳以上でBMI≧27で、血圧が160/100mmHg未満の2型糖尿病患者
I  週のうち2日をカロリー制限(その日のみ普段の25%):IER
C 継続的にカロリー制限(75%で継続):CER
O 1年後のHb1Acの変化量

※非劣勢試験のRCT
※どちらの介入も栄養士による指導が行われている。
 頻度は、最初の3か月は2か月に1回、残りの期間は2-3か月に1回

<割付>
オンラインの乱数表により1:1に割付
性別とBMIで層別化
<ベースライン>
SU剤の使用率と1日の平均歩数が介入群で多い
他はだいたい同じ
<ブラインド>
なし(オープンラベル)
<解析など>
解析 ITT
脱落 IER:19/70=27.1%
   CER:21/67=31.3%
サンプルサイズ
   α=0.05 power=80%で、104人
非劣勢マージン
   Hb1AC ±0.5%
   体重 ±2.5㎏
<結果>
Hb1AC
 IER -0.3%(95%CI -0.6 to -0.08)
 CER -0.5%(95%CI -0.8 to -0.2)
 平均差 0.2%(95%CI -0.2 to 0.5, P=0.65)

【感想・ディスカッション】
・ベースラインのBMIが30以上でありなかなかの体格なので、
 日本人にそのまま当てはめてよいかは分からない。
・栄養士ががっつり介入すれば1年後の70%残っているというのは、
 なかなかすごいと思う
・食事方法よりもトータルの摂取量を減らせば体重の減り方は変わらない?
・毎日がまんできないという人には、
 たまに頑張りましょうという選択肢が提示できるので、良いかもしれない

2018年8月17日金曜日

第44回抄読会予定

【日時】
 2018/9/5 (水)

【場所】
 コロニーハウス

【担当】
 けやき薬局 馬場(き)

【お題】
週の2日カロリー制限をするという5:2ダイエットは、糖尿病の食事療法として有効なの?? 

【読む論文】
  JAMA Network Open. 2018;1(3):e180756.

2018年4月23日月曜日

第42回抄読会予定


【日時】
2018/5/15(火) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
ひのき薬局 岡本

【お題】
検討中

2018年2月26日月曜日

第41回抄読会予定


【日時】
2018/3/17(火) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 馬場

【お題】
低炭水化物ダイエットは、低脂質ダイエットより体重が減りやすいのか?

【読む論文】

2018年1月26日金曜日

第40回抄読会まとめ(ARBとACIの併用のメリット・デメリットは?)


【日時】
2018/1/22(月) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】

いぶき薬局 中島

【お題】
高血圧ガイドラインでも推奨されていないARBとACEIの併用の害はどのくらい?

【読んだ論文】
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P 55歳以上冠動脈疾患、末梢血管疾患、脳血管疾患の既往、
  終末期障害を伴う糖尿病の疾患を持つ人
I  テルミサルタン(TRM)
   テルミサルタン+ラミプリル(T+M)
C ラミプリル(RAM)
O 心血管死、心筋梗塞、脳卒中
  心不全による入院の複合アウトカム

単独群の非劣性試験
単独と併用の優越性試験

〈割付〉
ラミプリル2.5mg→テルミサルタン40mg
→ラミプリル2.5mg+テルミサルタン40mg
→ラミプリル5mg+テルミサルタン80mg
で、盲検下で忍容性を確認してから割付
(3399/29019が脱落)

自動電話サービスを用いて、
層別化して置換ブロック方式で割付
TRM:T+R:RAM=1:1:1

〈ベースライン〉
大体同等

〈ブラインド〉
double blindと記載あり

〈追跡・症例数など〉
解析 ITT
脱落 TER 1796人 (21.0%)
   T+R 1929人 (22.7%)
   RAM 2029人 (23.7%)
サンプルサイズ
 HOPE trialで、アウトカム発生が0.0397/年
 α=0.125(3群比較なので)
 7800人を4.5年追跡で、
 優越性 power=93% HR=0.89を想定
 非劣性 power=89% HR=1.00を想定
マージン 片側<1.13

〈アウトカム〉
Primary outcome
 TER vs RAM RR = 1.01 (0.94 to 1.09)
 T+R vs RAM RR = 0.99 (0.92 to 1.07)
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【読んでからのディスカッション】
・アウトカムは変わらない割に、
 腎障害や透析は増えるからメリットは薄いかも
・T綜合病院は、尿蛋白+の人に併用で出てる(論文のサブ解析の結果に合致)
・忍容性があれば、むしろACEIで良いんじゃないかしら?安いし。
・忍容性を確認してるのに20%強の脱落は多くないか?

【ロールプレイング】
ARBを飲んでいた患者さんにACEIが追加になってきた場合の疑義照会を含めた応対