福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2016年12月6日火曜日

第29回抄読会まとめ(PPIはNSAIDs誘発潰瘍の予防になる?)


【日時】
2016/12/2(金) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 中島

【お題】
NSAIDsの胃潰瘍再発抑制として、PPI等が使用されるケースがあるが、本当に効果があるのか?安全性は?
 
【読んだ論文】
Drug Healthc Patient Saf. 2009;1:47-71.

*************************************************
P 18歳以上でNSAIDsを4週以上使用している関節炎、リウマチなどの患者
I  胃保護薬(ミソプロストール、H2阻害薬、PPI)
C プラセボ
O 臨床的な上部消化管障害(穿孔、閉塞、出血、潰瘍)、または内視鏡的潰瘍の割合
 
<検索>
Cochrane Database Syst Rev. 2002;(4):CD002296. に記載(abstractしか見れない)
検 索:EMBASE, MEDLINE, CENTRAL
    Biosis Previews(R), ADIS LMS Drug Alerts, Pharmaceutical News Index (PNI)
対 象:RCT
言 語:??
期 間:~2002.06
その他:専門家や企業と連絡を取った
<試験の選択>
2名が独立して実施
<データ抽出>
2名が独立して実施
<risk of bias>
2名が独立して実施
Jadad scaleで評価
 
<outcome>
胃潰瘍(6試験)
 PPI    93/744 (12.5%)
 プラセボ 131/486 (27.0%)
 RR 0.39 ( 0.31 to 0.50, I² = 0%)
十二指腸潰瘍(5試験)
 PPI    10/508 (1.96%)
 プラセボ   38/375 (10.1%)
 RR 0.20 ( 0.10 to 0.39, I² = 0%)
*************************************************
 
【読んでからのディスカッション】
・普段よく処方のでるNSAIDsの副作用予防のH2阻害薬やPPIは
 ちゃんと効果があったらしい。
・H2阻害薬も高用量(ファモチジン40mgなど)だと予防効果は劣らないみたい。
・PPIのNNTを計算すると胃潰瘍が7人、十二指腸潰瘍が13人なので、
 予防効果としては大きそう
・副作用は、ミソプロストールよりは良いくらいしか分からない
・NSAIDsを連用する場合の、H2阻害薬、PPIは、
 ちゃんと飲んでねと指導するメリットが大きそう
 
【ロールプレイング】
NSAIDsが長期で処方された患者さんにPPIが一緒に出ていた場合の服薬指導

2016年11月21日月曜日

第29回抄読会予定


【日時】
2016/12/2(金) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 中島

【お題】
NSAIDsの胃潰瘍再発抑制として、PPI等が使用されるケースがあるが、本当に効果があるのか?安全性は?
 
【読む論文】
Drug Healthc Patient Saf. 2009;1:47-71.
 

 

2016年11月5日土曜日

第28回抄読会まとめ(ドネペジルを中止する/切り替える影響は?)


【日時】
2016/11/4(金) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
ひのき薬局 岡本

【お題】
ドネペジルは状態が安定している場合は中止してみてもよいのか?

91歳女性から以下のような質問があったので、解決したい。
「頻尿で泌尿器の先生に相談したらドネペジルのせいって言われた。
 ふだん診てもらっている先生にもそのことを相談したら、
 元気だし、ずっと続けているから1回止めてみましょうか?
 と言われたけど、大丈夫かしら??」
 


*************************
P  MMSE5-13点の中等度~重症の認知症で、
    アリセプト10mgを6週以上、
    アリセプトの服用期間の通算で3カ月以上の人
I/C  ドネペジルON/OFF、メマンチンON/OFF
O    SMMSE、BADLSのスコア
 
<割付>
最小化法でランダム割付
層別化:センター、年齢、ドネペジル治療期間、sMMSE
U.K. Medical Research Council Clinical Trials Unitで電話により実施
<Baseline>
だいたい同じ?
男女比、ドネペジルの治療期間は差あり?
<転帰>
解析:ITT
追跡率:67~79%
<盲検化>
患者〇、治療者〇、評価者〇、解析者〇
<サンプルサイズ>
430人(実際は295人)
ドネペジルvsプラセボ sMMSEで1ポイント差 power95% α0.05
メマンチンvsプラセボ SMESEで2ポイント差 power90% α0.05
 
<Outcome>
sMMSE
 ドネペジル継続 vs 中止   overall difference 1.9 (1.3 to 2.5)
 メマンチン服用 vs プラセボ overall difference 1.2 (0.6 to 1.8)
BADLs
 ドネペジル継続 vs 中止   overall difference −3.0 (−4.3 to −1.8)
 メマンチン服用 vs プラセボ overall difference −1.5 (−2.8 to −0.3)
*************************
 
 
【読んでからのディスカッション】
・ドネペジル、メマンチン、ドネペジル+メマンチンのスコアは、
 途中は差が開くが、1年後にはあまり差がないようだ。
・ドネペジル+メマンチンだと、先発品だと1日薬価は1000円超える
・中止群は、早期にスコアが落ちるので、
 薬を服用している効果は(実感が薄いけど)あるようだ。
・サンプルサイズより被験者が少ないけど、どう考えたらよい?
 有意差ついているからあまり気にしなくてもOK?
・結果のsMMSEのスコアが約2ポイントの差が、
 実際の患者さんの症状としてはどの程度の差なのかが分からない。
・お題の人は、認知症の程度がいまいち良く分からない。
 薬局には家族がいらっしゃっているそう。
・軽度の場合は、直接性が低いから結果を適用するのは微妙??
・メマンチンへの変更は、BPSD対策に鎮静効果を目的として
 切り替えられることが多いような印象がある。
・メマンチンへ切り替えるより、クエチアピンやリスペリドン併用する例が多いかも。
・コリン作動性の尿閉で困っているようなので、
 トイレに頻回行くつらさと、薬を継続するメリットについて
 患者さんの希望をよく聞くことが大切かも?

2016年10月29日土曜日

第28回抄読会予定


【日時】
2016/11/4(金) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
ひのき薬局 岡本

【お題】
ドネペジルは状態が安定している場合は中止してみてもよいのか?

91歳女性から以下のような質問があったので、解決したい。
「頻尿で泌尿器の先生に相談したらドネペジルのせいって言われた。
 ふだん診てもらっている先生にもそのことを相談したら、
 元気だし、ずっと続けているから1回止めてみましょうか?
 と言われたけど、大丈夫かしら??」
 
【読む論文】
N Engl J Med. 2012 Mar 8;366(10):893-903.

【勉強してきた方が良いこと】
・ドネペジルとメマンチンの薬効、薬理
・MMSE(ミニメンタルステート検査:日本語)
・BADLS(Bristol ADLs:英語)

2016年10月8日土曜日

第27回抄読会まとめ(PPIはCKDのリスク因子?)


【日時】
2016/10/6(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
CKDに対してPPIは用量調節は不要とされているが、連用により腎機能に影響は与えないのか? 
 

******************************
P eGFR≧60 mL/min/1.73m2の人(10482人)
E PPI、H2阻害薬の使用
C 非使用
O  退院時にCKDの診断、もしくは死亡/eGFR<60 mL/min/1.73m2の患者数
<追跡期間>
ARIC試験 1996/2/1 ~ 2011/12/31(中央値13.9年)
Geisinger Health System 1997/2/13 ~ 2014/10/9(中央値6.2年)
<脱落>
ARIC試験 11656人→10482人 1174人(約10%)
Geisinger Health System データベース解析なのでなし
<交絡因子の調整>
Cox比例ハザード回帰
<その他>
ARIC試験では、maskingはされていない。
データベースのコードによるOutcomeの評価
<Outcome>
PPI 使用 vs 非使用者 
 ARIC試験
   PPI 56/322  14.2件/1000人年
   非使用者 1382/10160  10.7件/1000人年
   調整ハザード比 1.50 (1.14-1.96)
 Geisinger Health System
   PPI 1921/16900  20.1件/1000人年
   非使用者 28226/231851  18.3件/1000人年
   調整ハザード比 1.17 (1.12-1.23)
 
H2阻害薬使用 vs 非使用者 (調整ハザード比)
 ARIC試験 1.15 (0.98-1.36)
 Geisinger Health System 0.93 (0.88-0.99)
*******************************

【読んでからのディスカッション】
・eGFR<60 mL/min/1.73m2でCKDと定義されるので、アウトカムの設定はおおむね問題ないと思う。
・プロテカジンを除くH2阻害薬と違い、容量調節が不要なので腎臓内科の処方でもよくPPIは見る
・調整ハザード比で1.1~1.9、もしくは、1.2±なので、CKDのリスクは上がるが、そこまで高いわけでもないかも。
・NNHは、286人年、556人年。
・GERDは再発も多いので、飲むのをやめて症状が出るようなら、無理にやめる必要はないかもしれない。

【ロールプレイング】
GERDでPPI服用している患者さんから、最近腎機能が落ち着いてると言われたと話があった場合の服薬指導。

2016年9月26日月曜日

第27回抄読会予定


【日時】
2016/10/6(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
CKDに対してPPIは用量調節は不要とされているが、連用により腎機能に影響は与えないのか? 
 
【読む論文】
JAMA Intern Med. 2016 Feb;176(2):238-46.

【勉強してきた方が良いこと】
・PPIの代謝経路

2016年9月3日土曜日

第26回抄読会まとめ(黄斑変性症にラニビズマブはどの程度効果があるのか?)


【日時】
2016/9/1(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 飯塚

【お題】
眼科の処方を交付する際に話が出ることが多いが、黄斑変性症へルセンティスを使用するとどの程度改善が見込めるのか?
 
************************************
P 50歳以上で血管新生のある加齢黄斑変性症、視力20/40~20/320
I   ranibizumab0.3mg / 0.5mg を月1回注射 
C シャム注射(針なしの注射筒でふりのみ)
O 12か月後のETDRSの変化がー15文字以下だった人の割合
 
<割付>
ランダム化割付(詳細は記載なし)
<ベースライン>
だいたい同等。
<脱落>
ITT解析
12カ月追跡率>90%
24カ月追跡率>88%(シャムは79.8%)
<盲検化>
2重盲検(患者、医療者)
<サンプルサイズ>
α=0.0497, power=95%, シャム注射群50%、治療群65%と仮定で、720人
 
<outcome>
12か月後のETDRSの変化がー15文字未満の割合
ranibizumab0.3mg 94.5%
ranibizumab0.5mg 94.6%
シャム注射     62.2%
************************************
 
【読んでからのディスカッション】
・ETDRSの検査方法について予習した方が良かったかも
・ETDRSの1列は5文字なので、15文字は3列分
 20/80→20/160、20/100→20/200くらいの視力の悪化
・ベースラインで、視力に影響与えそうな緑内障や白内障といった、
 他の眼科疾患の罹患数が書いていないのが少し気になる
・脱落は10%前後で少なそう
・視力の維持という観点からはとても効果があるようだ
・一度やめても、視力悪化からまた再開している患者さんも多い印象
・認識文字数の増加は、ゆがんだ物の改善によるものだと考えられるので、
 目が良くなるというよりは、以前に少し戻ると患者さんに伝えた方が良いかも
・福島県立医大では、処置3日前から、ベガモックス点眼が処方されることが多い
・副作用は、目以外にも出血や血圧上昇など抗VEGF抗体の全身性の副作用も起こるらしい
・ルセンティス1回分15万円だが、視力の維持される割合を考えるとやるかも?
 
【ロールプレイング】
ベガモックス点眼液 処置3日前から の処方が来た場合の交付

2016年8月9日火曜日

第26回抄読会予定

【日時】
2016/9/1(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 飯塚

【お題】
眼科の処方を交付する際に話が出ることが多いが、黄斑変性症へルセンティスを使用するとどの程度改善が見込めるのか?
 
【読む論文】

【勉強してきた方が良いこと】
・加齢黄斑変性症って?
・ラニビズマブ等の抗VEGF抗体の薬理作用

2016年8月5日金曜日

第25回抄読会まとめ(手足症候群の予防に尿素クリームは有効?)

【日時】
2016/7/28(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 中島

【お題】
分子標的薬で起こる手足症候群の予防に尿素クリームは有効なのか?
 

***********************
P 肝細胞がんでソラフェニブを服用している人
I  10%尿素クリームを1日3回+Best Supportive Care
C Best Supportive Care(クリーム塗布を除く)
O 手足症候群の発生率

<割付>
ランダム割付
割付の詳細な方法は記載なし
Baselineはだいたい同じ?
<盲検化>
オープラベル
<その他>
Kaplan-Meier 法:Cox回帰モデルで調整
追跡率 約80%
サンプルサイズ
 手足症候群の発生率45%、相対リスクを25%減少させると仮定
 α=0.025, power = 90%、脱落率10%を想定して900人
 
<Outcome>
12週の手足症候群の発生率
HR 0.658 (0.541 to 0.799)

***********************

【読んでからのディスカッション】
Kaplan-Meier だが、脱落者が20%いて、
 発生率に与える影響が大きいように思えるので、微妙?
・割付方法の詳細が書いてないので良く分からない。
・対照群の手足症候群の発生率が、45%の想定対し73.6%とかなり多い。
・日本の添付文書にも、55.6%と書いてあるので想定は妥当?
・12週の時点の表で、手足症候群ありなしの数字で計算すると、
 ARR17.6%、NNT6人
・一般的に服用開始後2カ月くらいは注意が必要とされているが、
 試験でも60日くらいまでの発生が多いので、妥当?
・一般的にはヘパリンのクリームなどが多いけれど、尿素使うの?
 →角質を柔らかくするという事で、本には書かれていることもあり
・オープンラベルで、対象が薬なしで、脱落も多いので、
 良い結果だけど微妙??

【ロールプレイング】
一般的な手足症候群の予防に対する保湿剤処方の服薬指導
(尿素クリームは想定しなかった)

2016年7月12日火曜日

第25回抄読会予定

【日時】
2016/7/28(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 中島

【お題】
分子標的薬で起こる手足症候群の予防に尿素クリームは有効なのか?
 

【勉強してきたほうが良いこと】
手足症候群 → pmdaのページ http://www.pmda.go.jp/files/000143976.pdf
尿素クリームの薬効、薬理
 

2016年6月28日火曜日

第24回抄読会(頻尿に対する抗コリン薬が無効時はベタニスに変更可能?)

【日時】
2016/6/21(火) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
ひのき薬局 岡本

【お題】
頻尿で抗コリン薬を飲んでいても効かない、もしくは口渇がひどい場合に、ベタニスに代替するのは可能かどうか?
 
【読んだ論文】
Eur Urol. 2014 Apr;65(4):755-65.

*********************************
P OABと診断された18歳以上の男女
I  抗コリン薬
C ミラペグロン50mg
O 排尿回数、尿失禁回数、切迫性尿失禁
 
<検索>
検 索:EMBASE、MEDLINE、CENTRAL
対 象:RCT
言 語:記載なし
期 間:~2013.6.20
その他:システマティックレビューの参考文献を検索
 
<試験の選択>
2名が独立して実施し、不一致はディスカッションで解決
2731件→142件→44件
<データ抽出>
記載なし
<risk of bias>
NICEの基準で実施
2名が独立して実施し、不一致はディスカッションで解決
risk of biasの結果は本文中に記載なし。
 
<outcome>
・排尿回数(9薬剤26試験22040人)
  ソリフェナシン10mg -0.584 (-0.837 to -0.332)
・失禁回数(9薬剤17試験13101人)
  ソリフェナシン10mg -0.237
・切迫尿失禁(9薬剤18試験16044人)
  ソリフェナシン10mg -0.422回(-0.786 to -0.060)
*********************************
 
 
【読んでからのディスカッション】
・飲んでも思ったよりトイレの回数が減らない
・プラセボの値をみると2人に1人くらいしか効かない?
・ベタニス50mg(195.2円)とベシケア5mg(194.7円)が薬価で同じくらい
・risk fo biasの結果が本文中にないので、詳細が分からない
 Appendixは有料で見れない
・各成分ごとの人数が書いてないのでどの程度の規模の試験なのかが分からない
・メタアナリシスの異質性、出版バイアスの記載がない
・ミラペグロンはCYP2D6を阻害するため、併用薬のチェックが面倒?
 認知症、統合失調症、ジゴキシン飲むようなの人には不向きかも?
・循環器系の副作用が出るので、既往がある人には不向きかも?
・抗コリン薬と比較して口渇、便秘などの副作用は少なそう
・既往症がなく、単独で飲んでいるような人だったら抗コリン薬無効時はありかも?
・疑義紹介て変更提案は難しい?情報提供くらいが妥当?

【ロールプレイング】
重篤な既往症がなく、頻尿で抗コリン薬で口渇がつらい人への応対。

2016年6月16日木曜日

第24回抄読会予定

【日時】
2016/6/21(火) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
ひのき薬局 岡本

【お題】
頻尿で抗コリン薬を飲んでいても効かない、もしくは口渇がひどい場合に、ベタニスに代替するのは可能かどうか?
 

【勉強してきたほうが良いこと】
ミラベグロンの作用機序
 

2016年5月26日木曜日

第23回抄読会まとめ(脳梗塞の2次予防に使われる抗血小板薬の違いは?)

【日時】
2016/5/24(火) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
心疾患のない脳梗塞の2次予防にプラビックスやバイアスピリン、プレタールなど色々使われているが、どうちがうのかがいまいちよく分からない。プレタールで動悸、めまいが出るような人へ、他の抗血小板薬を疑義照会などで提案してよいの?
 
【読んだ論文】
BMJ Open. 2016 Mar 17;6(3):e009013.

 
***********************************
P 非心原性脳梗塞、TIA既往の患者
I  抗血小板薬
C プラセボ
O 深刻な欠陥イベント(非致死的脳卒中、非致死的心筋梗塞、血管関連死)
 
<検索>
検 索:EMBASE、Pubmed、CENTRAL、google scholar、ClinicalTrials.gov
対 象:RCT
言 語:制限なし
期 間:~2015.3.31
その他:2名が独立して検索、出版形態の制限なし、
    メタアナリシス・システマティックレビューの参考文献を検索
<試験の選択>
2名が独立して実施し、不一致はディスカッションで解決
期間が3か月以上、各群が100人以上の試験を選択
11110件→107件→36件
<データ抽出>
2名が独立して実施し、不一致はディスカッションで解決
ITTで抽出
<risk of bias>
2名が独立して評価し、不一致はディスカッションで解決
コクランのrisk of biasツールを使用
29/36(86.1%)はlow risk of biasと評価
異質性:A2 vs AD1, A4 vs Ticlopidine は、I2>50%
 
<outcome>
深刻な血管イベント (vs プラセボ, ネットワークメタアナリシスの結果)
アスピリン75-162mg OR=0.83 (0.71 - 0.96)
アスピリン+クロピドグレル OR=0.70 (0.59 - 0.83)
クロピドグレル OR=0.74 (0.65 - 0.86)
シロスタゾール OR=0.57 (0.45 - 0.72)
 
***********************************
 
 
【読んでからのディスカッション】
・システマティックレビューの方法の妥当性は高そう
・ネットワークメタアナリシスの方法の検証は、まだ勉強不足
シロスタゾールはアスピリンやクロピドグレル単剤と比べて予防効果が高いようだ。
・シロスタゾールは、事前分布モデルが異なるとクロピドグレルと有意差なしと
 limitationに書いてあるが割り引いて考えたほうが良いのか?(よくわからない)
・シロスタゾールは1日2回、頭痛、めまい、動悸等の副作用がネックか?
シロスタゾールの副作用は徐々に慣れることも多いという感じがある。
・シロスタゾールでつらいのであれば、他の抗血小板薬を検討するのもありかも。
 
【ロールプレイング】
シロスタゾールで頭痛がひどい患者さんへの交付

2016年5月19日木曜日

第23回抄読会予定

【日時】
2016/5/24(火) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
心疾患のない脳梗塞の2次予防にプラビックスやバイアスピリン、プレタールなど色々使われているが、どうちがうのかがいまいちよく分からない。プレタールで動悸、めまいが出るような人へ、他の抗血小板薬を疑義照会などで提案してよいの?
 

【勉強してきたほうが良いこと】
・脳梗塞の2次予防に使用する薬剤
・脳卒中治療ガイドライン2015(有料なのでムリしなくても)
 メーカーのサイト↓
 https://www.xarelto.jp/ja/home/disease-information-area/round-table-discussion/stroke-guidelines/index.php

2016年4月23日土曜日

第22回抄読会まとめ(花粉症の舌下免疫療法でQOLは改善する?)

【日時】
2016/4/21(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
いぶき薬局 中島

【お題】
花粉症に対する、舌下免疫療法は、従来の抗アレルギー剤による対症療法よりもQOLは向上するのか?
 
【読んだ論文】
BMC Med. 2014 May 1;12:71

***********************
P 草や木の花粉アレルギーのある大人~子ども
I  SLIT(舌下減感作療法)
C 従来のアレルギー治療薬
  (第二世代抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻、MP29-02、モンテルカスト)
O 症状スコアの変化
 
<検索>
検 索:MEDLINE、EMBASE、Pubmed、CENTRAL
対 象:各群100人以上のRCT
言 語:不明
その他:特に記載なし
<試験の選択>
各群が100人以上の理由以外は、記載なし
<データ抽出>
方法については記載なし
<risk of bias>
記載なし
<outcome>
高ヒスタミン薬とSLITの症状スコアの比較(23試験10206人)
hg = -0.39 (fixed:-0.45 to -0.35, 異質性:I2=57.05%,p=0.0004)
※hg:Hedge's g = (対照の平均値 - 介入平均値) ÷ 不偏標準偏差
***********************
 
【読んでからのディスカッション】
・方法論について記載がほぼ記載がないので信用してよいかが不明
・異質性も高いので割引いて考えたほうが良い?
・SLITをどのくらいの期間使用している人を対象にしているのかが不明。
 1年目と2年目、3年目では効果に違いが出そう。
・どのくらいの症状の人を対象にした試験なのかもよく分からない。
 酷い人の方が改善効果が高いのか?
・抗アレルギー薬対減感作療法だが、減感作療法していても抗アレルギー薬は使うので、
 実際に来る処方と乖離していないか?
・有料であきらめたが、JAMA Intern Med. 2015 Aug;175(8):1301-9. とかを
 購入して読んだほうが良かったか?
・シダトレンは薬価100.8円、1ヶ月で3024円、1年で36792円。そこまで高くない?
 2-5年継続となっているので、年単位で続けることを考えるとけっこうな額か?
・減感作療法で、症状緩和される傾向はあるようなので、
 症状が酷い人は検討してもよいのかも知れない。

【ロールプレイング】
減感作療法を実施している患者さんへの花粉シーズンへの応対

2016年4月15日金曜日

第22回抄読会予定

【日時】
2016/4/21(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
いぶき薬局 中島

【お題】
花粉症に対する、舌下免疫療法は、従来の抗アレルギー剤による対症療法よりもQOLは向上するのか?
 
【読む論文】
BMC Med. 2014 May 1;12:71

【勉強してきたほうが良いこと】

・減感作療法ってなんだ?
 シダトレンのwebページ http://www.torii-alg.jp/

2016年3月29日火曜日

第21回抄読会まとめ(ポリファーマシーで転倒は増える?)


【日時】
2016/3/17(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本

【お題】
最近高齢者のポリファーマシーというのが話題になっているけど、多剤併用していたほうが転倒は増えるのか?(なんとなく増えそうだけど)
 
【読んだ論文】
Age Ageing. 2015 Jan;44(1):90-6

**********************
P 50歳以上の認知症のない成人
E ポリファーマシー(5薬品以上服用)
C ポリファーマシーではない
O 転倒数、転倒者数、怪我を伴う転倒
 
追跡期間約2年のコホート研究
 
<コホート>
アイルランドのTILDAに登録している50歳以上8175人
<脱落>
18.45% (201名死亡)
<masking>
アンケート調査時の観察者のマスキングについては記載なしのため不明
<交絡因子の調整>
fall  ポアソン回帰分析
人数 負の二項回帰
 
<outcome>
ポリファーマシー単独(1140人)
Any fall      調整RR 1.01 (0.90 - 1.14)
Nunber of fall 調整RR 1.10 (0.93 - 1.30)
Injurious fall   調整RR 1.02 (0.84 - 1.24)
**********************
 
【読んでからのディスカッション】
・調査者が転んだか?怪我したか?等聞いたそうなので、記憶違いはバイアスとしてありそう
・意外だったが、ポリファーマシーのみの要因で転倒が増えるわけでもないみたい
・転倒が増えそうな、降圧薬、利尿薬飲んでいても転倒は余り変わらないみたい
・BZDは、ポリファーマシーでも、そうでなくても転倒リスクを増やすらしい
・抗うつ薬+ポリファーマシーで転倒が増える傾向と著者らは分析している
・たくさん薬を飲んでいるからというよりは何を飲んでいるか?など
 転倒しそうな要因はないかを確認する方が大切?
・交絡因子の調整方法が具体的に何をするのかがさっぱりだったので統計の勉強の必要あり?
 
【ロールプレイング】
しなかった。

2016年2月29日月曜日

第21回抄読会予定

【日時】
2016/3/17(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本

【お題】
最近高齢者のポリファーマシーというのが話題になっているけど、多剤併用していたほうが転倒は増えるのか?(なんとなく増えそうだけど)
 
【読む論文】
Age Ageing. 2015 Jan;44(1):90-6

【勉強してきたほうが良いこと】

・コホート研究ってどんな研究デザイン?

第20回抄読会まとめ(オセルタミビルはどのくらい効果があるの?)


【日時】
2016/2/8(月) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
インフルエンザの検査陽性だったからとこの季節によく処方が来るオセルタミビル(タミフル)は、季節性のインフルエンザにどのくらい効果があるのか?
 
**************************
P 健康な大人と子ども
I  オセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)
C プラセボ
O 症状の緩和、入院・合併症、害

<検索>
検 索:CENTRAL、MEDLINE、EMBASE、Pubmed、DARE、NHSEED、HEED
対 象:RCT
言 語:制限なし
その他:FDA、EMEA、ロッシュ、GSK、PMDA、SBAを別途フォローアップ
<試験の選択>
2名が独立して行い、不一致はディスカッションで解決
<データ抽出>
2段階でCONSORTに則り実施
2グループが独立して実施、不一致はディスカッション
<risk of bias>
コクランのrisk of biasツールを使用
<outcome>
・症状軽快までの時間
 平均差 16.8時間 ( 8.4 to 25.1, I2=0% )
・入院
 RD 0.15% (-0.78 to 0.91 )
・肺炎
 RR 0.55 ( 0.33 to 0.90 )
**************************

【読んでからのディスカッション】
・risk of baisテーブルは赤が多い。シークエンス作成、ブラインドが大部分でハイリスク。
 other biasは、必要数以下の募集がほとんどにあるみたい。
・熱が下がるのが7日で1日程度早まるなら、飲みたいという人はいるのではないか?
・ハイリスクな人は飲んでも良いのかも知れない。
・吐気、下痢等の副作用は、交付時に指導したほうが発生頻度からすると良いようだ。
・肺炎は減少で有意差があるようだが、個々の試験の信頼区間が広いので、信頼性は疑問。
・季節性のインフルエンザに対してなので、強毒性のウイルスに対する有効性は不明
・薬を飲む、飲まないに関らず、インフルエンザになったら
 仕事は休んで家で寝ていられるという環境整備も大切かも

2016年1月20日水曜日

第20回抄読会予定


【日時】
2016/2/8(月) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
インフルエンザの検査陽性だったからとこの季節によく処方が来るオセルタミビル(タミフル)は、季節性のインフルエンザにどのくらい効果があるのか?
 
【読む論文】
Cochrane Database Syst Rev. 2014 Apr 10;4:CD008965.

【勉強してきたほうが良いこと】

・ノイラミニダーゼ阻害薬の作用機所
・インフルエンザに対する一般的な知識
 参考:厚生労働省 インフルエンザQ&A

2016年1月9日土曜日

第19回抄読会まとめ(下痢に整腸剤は、効果があるのか?)


【日時】
2016/1/7(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
いぶき薬局 中島

【お題】
下痢に整腸剤はよく見かける処方だが、急性(感染性)胃腸炎による下痢症状に整腸剤は有効なのか?
 
 

******************************
P 1日3回以上の下痢便を伴う急性下痢の5歳未満の小児
I  プロバイオティクス(整腸剤)
C プラセボ and/of プロバイオティクスを含まない標準的で適切な下痢への対処
O 死亡、入院、下痢の期間、トイレに行く回数
 
<検索>
検 索:PubMed, Cochrane Library, WHO Regional Databases, Web of Science,
     Biosis, Popline, Global Health, Scopus,  Embase
対 象:RCT
言 語:制限なし
その他:全文が見れない場合は著者へ問い合わせした。参考文献検索は記載なし
<データ抽出>
方法は記載なし
<risk of bias>
CHERG編のGRADE techniqueを使用と記載あり。詳細不明。
出版バイアスは検討していない
 
<outcome>
下痢の期間(6試験) Average percent difference  -14.0% (-24.2 to -3.8%) low
下痢便回数(3試験) Average percent difference  -13.1% (-25.3 to -0.8%) moderate/low
入院(2試験) RR 0.81 (0.42 to 1.57) moderate/low
死亡 該当の試験がない
******************************
 
 
【読んだ後のディスカッション】
・bias について判断できる所が、あまり記載されていないのでよく分からない。
・著者を信用するとものすごく効くわけではないが、やや効果があるという結果か?
・整腸剤で副作用があるという話をほとんど聞かないので、とりあえず飲むという選択肢は、
 親御さんの心情を考えるとありかも知れない。
・1週間下痢が続くとすると、14%だと1日短くなるくらい。
 1週間で考えると最大で1.7日、最小で変化なし。
・下痢は、水分補給等の対症療法や感染拡大予防の方が治療には大切かも。
・よく目にする下痢に整腸剤という選択が無駄ではないようなのでよかった。安いし。
 
【ロールプレイング】
下痢で受診した小児へ整腸剤のみ処方された場合の親御さんへの服薬指導