福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2015年10月26日月曜日

第17回抄読会まとめ(SGLT-2阻害薬の有効性)

【日時】
2015/10/22(木) 19:00~
 
【場所】
コロニーハウス
※やっていない場合は最寄のモスバーガー
 
【担当】
みずき薬局 馬場
 
 

【お題】
SGLT-2阻害薬の処方日数制限もきれ、処方される方も増えてきたので、SGLT-2阻害薬の有効性について学習する。
  
【読んだ論文】
P 18歳以上のBMI≦45、eGFR≧30mL、7.0≦HbA1c<9.0(治療している場合は10.0)
  の心血管疾患既往の糖尿病患者
I  Empagliflozin 10mg または 25mg
C プラセボ
O 心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合アウトカム
 
平均3.1年追跡のRCT
 
<割付>
Empagliflozin 10mg、25mg、プラセボに1:1:1にランダム化割付
コンピューター作成の乱数表に基づいて、音声かweb応答のシステムを使用
層別化:HbA1c(<8.5、≧8.5)、BMI(<30、≧30)、eGFR(30~59、60~89、≧90) 、地域
<ベースライン>
群間ではだいたい比率は同じ。
人種:白人71%、アジア人22%
性別:男性71%
体重:86kg ± 19kg
BMI:30 ± 5
HbA1c:8.0 ± 0.8
eGFR:<60:26%、60≦ <90:52%
心疾患:冠動脈疾患(75%)、心筋梗塞既往(46%)、冠動脈バイパス術既往(24%)、脳卒中既往(23%)
 
<解析など>
modified ITT
 →割付後、1回も薬を服用していない人は除外:8人
 →イベントがなかった人は最終確認時点で打ち切り
脱落率:Empagliflozin23.4%、プラセボ29.3%
盲検化:2重盲検
サンプルサイズ:イベントが691件発生でpower90%
fund:ベーリンガーインゲルハイム、イーライリリー
 
<outcome>
心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中
 プラセボ       282/2333  43.9人/1000人年
 Empagliflozin    490/4687  37.4人/1000人年
 HR 0.86 (0.74 - 0.99)
***********************
 
【読んでからのディスカッション】
・心血管のアウトカムが改善するのは斬新
・非劣性の記載があるので、最初は差が付くとは思っていなかった?
・サブ解析の死亡は減るけど、心筋梗塞、脳卒中の有意差なしはどう解釈したらよい?
・試験の対象患者が、普段見かけないような重病人?なので、結果を一般化はできないかも。
・既存の治療に対してEmpagliflozinを追加する試験デザインだが、
 メトホルミン、インスリン使用例に対して処方されるのを働いていてまだ見たことが無い。
・普段は単独処方やDPP-4との併用が多く来るような印象
・BMI30で86kgだと、身長は170cmくらいが平均?
・HbA1cは服用開始はがんと下がるが、3年たつと元の値に近づいてくるのはなぜ?
・体重は服用開始後2kg程度下がってそこから横ばい。
・SGLT-2阻害薬が、内因性グルカゴンを増やすとか聞いたが関係あるのか?
・血圧は利尿効果で4mmHg程度さがるらしい。血圧低下による死亡率↓の影響はあるのか?
・脱落例でプラセボの方が副作用が多いのはなぜ?
・primary outcomeのNNT=154人/年

【ロールプレイング】
SGLT-2阻害薬の初回指導
(日常の患者さんに対する外的妥当性の懸念から、読んだ論文の内容は用いなかった)

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