福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2015年2月5日木曜日

第9回抄読会まとめ(ワーファリンと抗血小板薬の併用)



【日時】
2015/2/4(水) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/mizuki/

【お題】
不整脈(心房細動等)でワーファリンを服用している方がいるが、抗血小板薬(アスピリン、パナルジン、プラビックス等)を併用している場合では、ワーファリン単独と比べてどの程度出血リスクが高くなるのか?

【読んだ論文】
Arch Intern Med. 2010 Sep 13;170(16):1433-41.

P 心房細動と診断され退院した30歳以上の患者
I  アスピリン、クロピドグレル単独、もしくはワーファリンとアスピリン、クロピドグレルの併用
C ワーファリン単独
O 致死性、非致死性の出血

デンマークのEHRのデータベース解析による後向きコホート研究(レジストリ研究)

<期間>
1997.1.1~2006.12.31
<解析>
cox比例ハザード回帰モデル
ベースラインの年齢、性別、治療期間、並存疾患、併用薬について調整

<outcome>
126,837人が心房細動で入院、118606人(93.5%)が生存して退院。
内82854人(69.9%)がワーファリンもしくは抗血小板薬を使用。
平均追跡期間:3.3年(SD=2.7)











【読んでからのディスカッション】
・ワーファリン単独と比較して、抗血小板薬を併用すると、出血リスクが約2~3倍増えるみたい
・特にクロピドグレルの併用はバイアスピリンよりも出血リスクが高い
・服用開始してから3ヶ月~半年程度までが出血がより多いようだ
・観察研究なので不明瞭だが、併用療法でもの凄く血栓が減るということはなさそう?
・クロピドグレルは薬価が高い。
・チクロピジンは、構造的にクロピドグレルより少し落ちるくらいで考えればよいか?
・併用療法の観察期間が総じて短いが、どの程度結果に影響を与えているのかはよく分からない
・どんな患者さんが併用療法の対象になるのかが分からない。

【薬局でできそうなこと】
・併用療法を行っている患者さんへの出血に対する注意喚起。併用薬についての指導
・追加になった場合は薬効の違いについて説明して理解してもらうよう努める

【ロールプレイング】
ワーファリン服用中にバイアスピリンが追加になった場合の服薬指導。
抗凝固薬と抗血栓薬の薬効の言い分け。高齢者でも分かるように。

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