福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2015年12月4日金曜日

第18回抄読会まとめ(エゼチミブのスタチンとの併用は有効?)


【日時】
2015/11/19(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本

【お題】
日常の調剤で、スタチンと併用、もしくは単独でエゼチミブが処方されることがままある。
アメリカでは近年食事中のコレステロール量は寄与度が少ないと言われているようなので、エゼチミブを服用することの意義を確認したい。 
 
【読んだ論文】
N Engl J Med. 2015 Jun 18;372(25):2387-97.

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P 急性冠症候群で入院歴のある50歳以上の男女
I  シンバスタチン40mg + エゼチミブ10mg
C シンバスタチン40mg + プラセボ
O 心血管死、主要冠動脈イベント(非致死性心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症、
  割付から30日以上経過後の冠血行再建術)、非致死性脳卒中の複合エンドポイント
 
<割付>
ランダム割付
層別化:脂質低下療法の有無、冠症候群の種別、GP IIb/IIIa受容体拮抗薬使用の有無
Baselineはだいたい同じ
<盲検化>
医療者:〇、患者:〇、評価者:?、解析者:?
<その他>
ITT解析
追跡率 エゼチミブ併用群:6868/9067(75.7%) シンバスタチン単独群:6860/9077(75.6%)
脱落率 エゼチミブ併用群:4773/9067(52.6%) シンバスタチン単独群:4909/9077(54.1%)
サンプルサイズ α=0.0394, power = 90% 相対リスクを9.375%減少で、5250例
 
<Outcome>
Primary Outcome
 エゼチミブ併用群    2572/9067(32.7%)
 シンバスタチン単独群 2742/9077(34.7%)
 Hazard ratio 0.936 (0.89 to 0.99), NNT 50人/7年
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【読んでからのディスカッション】
・エゼチミブで血管肥厚とかではないアウトカムの試験は、現状これのみのはず。
・スタチン使ってもLDLが高い場合に併用という選択肢は妥当性が高いのかもしれない
・試験中のシンバスタチンの用量が多い。日本では最大20mg
・目標LDL値が日常目にする値よりだいぶ低い。実際の値も平均値が50-60mg/dLで低い
・ストロングスタチンと比較するとどうなのかが気になる
・日常ではエゼチミブ単独処方も見かけるけど、なんでだろう。
・エゼチミブは薬価が199.9円で意外と高い
・プロトコル変更の記載があるけどどう考えたらよいのかが分からない

【ロールプレイング】
スタチンを飲んでいてゼチーアが追加になった人への服薬指導
 
 
【抄読会後追記】
 
LDL79mg/dL以上の場合はシンバスタチンを80mgまで漸増するプロトコルだったが、
漸増中の患者+80mg服用1年未満の患者は40mgへ容量を戻した上、
試験中にプロトコルが変更になっている。
FDAの推奨では、アムロジピン、ラノラジン併用の場合は20mgまでだが、
そちらは用量を変更せずに継続。
 
LDL>79mg/dL シンバスタチン80mgまで増量
LDL>100mg/dL 試験中止→より強力な治療開始

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