最近2剤目にアイファガン点眼液(Brimonidine)が良く処方されている。
良く処方されるチモプトール点眼液(Timolol)と比べて、効果はどうなのだろうか?
P:30歳以上の治療をしていない正常眼圧(<21mmHg)の開放隅角緑内障の人に
I:Brimonidine点眼液を使用することは
C:Timolol点眼液と比べて
O:視野障害の進行を遅らせることができるのか?
<割付>
Brimonidine:4、Timolol:3でランダムに7人1組のブロック割付
<割付の隠蔽化>
たぶんされている(maskedとは書いてあるが具体的な方法の記載なし)
<Baseline>
だいたい同じ
<隠蔽化>
患者:されている
医療者:されている
outcome判定者:されている
解析者:?(読んでも理解不足で分からなかった)
<ITT>
ITTで解析されている
<追跡率>
Brimonidine 99例 54例脱落 追跡率:45.5%
Timolol 79例 23例脱落 追跡率:70.9%
全体 56.7%
<サンプルサイズ>
計算されている。必要数64例
<Outcome>
<Primary>
視野進行(点別線形回帰分析で3点以上になり、-1dB/年以上の悪化がある人)
Brimonidine:9 Timolol :31 ( log-rank 12.4, P=.001)
<Secondary>
GCPM と 3-omitting method による評価
【読んでの感想】
・脱落率が高いので、ちょっと疑わしい面があるかも
・複数の検査で評価しているので結果の信頼性は高そう
・Brimonidineは、アレルギーや副作用による脱落が多い
→添付文書にも割と頻度高く出ているので間違いなさそう
・眼圧降下作用はそんなに変わらない?
・視野進行予防といっても年単位で経過を見ないと差が分からない
→アドヒアランスとコンプライアンスを維持することが大切か?
・β阻害薬が向かない患者さんに対しての選択肢としては良いかもしれない
・正常眼圧緑内障が対象だが、普通の緑内障患者にも適応できるか?
・角膜の厚さに数値が影響を受けるゴールドマン型で測定しているので、
デジタルのDCTなんかで測ると変わらないのではないか?
・アレルギー性結膜炎などの既往があったりすると避けたほうがよいのか?
【ロールプレイング】
特に既往のない緑内障の患者さんで、キサラタンを使用していたが、
眼圧コントロール不良(または視野悪化)のためアイファガンが追加になった場合の服薬指導
【気をつけた方が良いと思われた箇所】
・眼圧が落ち着いていても視野進行を押さえるために、しっかり継続する必要があることを伝える。
・視野は落ちると改善しないことや長期間の治療になること、
点眼液の使用で視野進行の予防ができることを
理解度の高い人には直接的に伝えても良いかも。
・アイファガンはアレルギー等の副作用による使用中止が多いので、
その症状やどう対応するかを伝える
・全身性副作用(めまい、頭痛、除脈など)の予防のため、
β阻害薬と同じように点眼後に目を閉じて、目頭を押さえたほうが良いかもしれない。
・1日2回なので、使用タイミングについても指導した方が良いかもしれない。