福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2015年1月13日火曜日

第9回抄読会予定



【日時】
2015/2/4(水) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/mizuki/
【お題】
不整脈(心房細動等)でワーファリンを服用している方がいるが、抗血小板薬(アスピリン、パナルジン、プラビックス等)を併用している場合では、ワーファリン単独と比べてどの程度出血リスクが高くなるのか?
【読む論文】
Arch Intern Med. 2010 Sep 13;170(16):1433-41.
 
【勉強しておいたほうが良いこと】
後ろ向きのコホート試験って?
ワーファリン、抗血小板薬の作用機所
参考:心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)

2015年1月9日金曜日

第8回抄読会まとめ(デスモプレシン製剤の副作用の違い)

【日時】
2015/1/7(水) 19:00~


【場所】
コロニーハウス  →  最寄のモス
https://goo.gl/maps/SjJ9c

【担当】
いぶき薬局 中島
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/ibuki/

【お題】
デスモプレシンの錠剤のミニリンメルトが2012年に発売されている。警告として「水中毒」があるが、子供の夜尿症へ使用した場合、どれくらいの頻度で起こるものなのか?また、同成分の点鼻薬と比較してどうなのか?

【読んだ論文】
J Urol. 2007 Jul;178(1):24-30.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17574054
 
P 18歳以下の夜尿症患者
I  デスモプレシンの経口製剤(錠剤、口腔内崩壊錠)
C デスモプレシンの点鼻製剤(スプレー、液)
O 副作用(低Na血症等)の頻度
 
臨床試験、症例報告、市販後調査(PMS)のシステマティックレビュー
 
<検索>
MEDLINE(1972-2006)、フェリングファーマの市販後調査資料(1972-2005)
英語の文献のみ検索
<対象>
小児夜尿症に対するデスモプレシン製剤の臨床試験、症例報告
 
<結果>
低Na血症の報告数
経口製剤  MEDLINE 0例
        PMS      6例
点鼻製剤  MEDLINE 48例
        PMS      145例
 
【読んでからのディスカッション】
・症例報告のみで頻度で比較できないので、どの程度多いのかは分からない。
・introductionにefficacyと記載があるが、有効性の違いについては検討していない。
・点鼻製剤が1981年、錠剤が1987年、口腔内崩壊錠が2005年の発売なので、
 よほど経口製剤の処方量が少なくない限りは低Na血症の発生頻度は低いと考えて良い?
・経口製剤と点鼻製剤を直接比較しているような文献は見つけられなかった。
・点鼻製剤の方がなぜ低Na血症の頻度が高いのかがよく分からない?
 点鼻という経路だと吸収が安定しないのか?
・インタビューフォーム見ると極端にT1/2やTmax、Cmaxが異なるということはなさそう
 
【薬局でできそうなこと】
・点鼻製剤→経口製剤への変更の提案
・経口製剤で低Na血症を起さない様に適切に服薬指導・モニタリングを行う。
・薬だけで夜尿症が改善するわけではないので、病院で行われている生活指導への協力が大切
 
 

2014年12月5日金曜日

第8回抄読会予定


【日時】
2015/1/7(水) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c

【担当】
いぶき薬局 中島
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/ibuki/

【お題】
デスモプレシンの錠剤のミニリンメルトが2012年に発売されている。警告として「水中毒」があるが、子供の夜尿症へ使用した場合、どれくらいの頻度で起こるものなのか?また、同成分の点鼻薬と比較してどうなのか?

【読む論文】
J Urol. 2007 Jul;178(1):24-30.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17574054
 
【勉強しておいたほうが良いこと】
夜尿症、デスモプレシンの作用機所
日本夜尿症学会ガイドライン:http://www.jsen.jp/guideline/index.htm

2014年11月18日火曜日

第7回抄読会まとめ(糖尿病患者に対する高血圧治療薬)


【日時】
2014/11/14(金) 19:00~

【場所】
コロニーハウス

https://goo.gl/maps/SjJ9c

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/

【お題】
糖尿病で腎機能が落ちている患者にとって、ACE阻害薬は他の降圧剤と比較して腎機能を保護効果はどの程度か?  RAS系阻害の薬は腎機能保護があると言われているけれど、ARBの臨床試験データの不正などがあったので、改めてその効果を再度確認したい。 

【読んだ論文】
BMJ. 2013 Oct 24;347:f6008.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24157497

P 18歳以上の糖尿病の人
I  ACE阻害薬を服用
C プラセボ、もしくは他の降圧薬を服用
O 死亡率、透析導入、血清クレアチニンが倍になった人数

RCTのネットワークメタアナリシス

<検索>
Medline, Embase, Scopus, Cochrane Library
参考文献まで調べた。言語はなし

<対象>
18歳以上の糖尿病患者(1型2型問わず)を対象として12ヶ月以上追跡している
パラレルのRCTでoutcomeが対象となるもの

 <Study selection>
詳細不明。
<Data extraction>
2名が独立して行った。不明点、矛盾があれば著者に連絡を取った。
<Risk of bias>
コクランのrisk of bias ツールを使用
2名が独立して評価し、不一致は別の2名を交えて合意を形成した。
<出版バイアス>
ファンネルプロットとBeggの補正順位相関検定、エッガーの回帰非対称検定
 
<outcome>
・死亡率(項目 プラセボ対照のオッズ比)
ACE-I+CCB 0.51(0.15 to 1.35)
ACE-I+利尿薬 0.86(0.59 to 1.26)
ACE-I 0.99(0.73 to 1.26)
CCB 1.02(0.74 to 1.46)
ARB 1.08(0.87 to 1.39)
 
【読んだ後のディスカッション】
・ネットワークメタアナリシスの理解が不十分なため、批判的吟味ができなかった
・直接比較がされていない関係について推定できるのは便利?
・ACEIはなんとなく古い薬のようなイメージがあったが、解析結果を見ると
 腎保護に関してはよく処方の出ているARBと比べて遜色ないみたい
・ACE-Iで単独よりCCB併用で死亡率が何でそんなに下がるのかがよく分からない。
・文中にも書いてあったがACE-Iは安いので良いかもしれない。
・ARB+αは、データが不足しているようで推定範囲が広すぎてよく分からない。
・ARBやACE-I+CCBは腎臓内科のDrがよく処方しているのは見かける気がする。
・β阻害薬はあまり腎機能によくないらしい
・ACE-Iは目に見える副作用(空咳等)が多かったり、MRさんが熱心に売込に来ないから
 処方量が減っている面もあるか?
 
【薬局でできそうなこと】
・ACE-Iの方が安いので、ARBで薬代が高いという人にDrとの相談をおすすめ?
・ARBが使えないという人にはACE-Iを提案?
・あまり薬局でできることはないかも?

2014年11月10日月曜日

第7回抄読会予定


【日時】
2014/11/14(金) 19:00~

【場所】
コロニーハウス

https://goo.gl/maps/SjJ9c

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/

【お題】
糖尿病で腎機能が落ちている患者にとって、ACE阻害薬は他の降圧剤と比較して腎機能を保護効果はどの程度か?  RAS系阻害の薬は腎機能保護があると言われているけれど、ARBの臨床試験データの不正などがあったので、改めてその効果を再度確認したい。 

【読む論文】
BMJ. 2013 Oct 24;347:f6008.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24157497
 
【勉強しておいたほうが良いこと】
降圧治療につかう薬の概要
日本糖尿病学会 糖尿病診療ガイドライン2013
日本腎臓病学会 CKD診療ガイドライン2013

2014年10月3日金曜日

第6回抄読会予定


【日時】
2014/10/9(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス

https://goo.gl/maps/SjJ9c

【担当】
みずき薬局 馬場

http://www.aiki-ph.co.jp/shop/mizuki/

【お題】
ビタミンKは腸内細菌によって供給されることが知られているが、ワーファリンを服用している患者さんが抗菌薬を服用する場合は出血リスクについて注意が必要なのか?
 
【読む論文】
Am J Med. 2014 Jul;127(7):657-663.e2.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24657899
 
【勉強しておいたほうが良いこと】
ワーファリンの薬効、薬理、作用機序。日常でビタミンKはどのように摂取されているのか

2014年9月12日金曜日

第5回抄読会まとめ(アトピーに対するステロイド:ストロング短期 vs ウィーク連日)


【日時】
2014/9/11(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス

https://goo.gl/maps/SjJ9c

【担当】
いぶき薬局 中島

http://www.aiki-ph.co.jp/shop/ibuki/

【お題】
アトピー性皮膚炎の患者さんに対して、ステロイドを用いる場合、弱いものを長期に使用するのと強めのものを短期的に使用するのは、どちらが有効か?それに伴う副作用はどうなのか?
 
【読んだ論文】
BMJ. 2002 Mar 30;324(7340):768.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11923161
 
P 1~15歳の軽度~中等度のアトピー性皮膚炎の患者
I  0.1%吉草酸ベタメタゾン軟膏(リンデロンV or ベトネベート)を週に連続3日→保湿基剤4日
C 1%ヒドロコルチゾン軟膏を連日
O number of scratch-free days (スクラッチスコア(1~5の5段階)が2以下の日数)
  number of relapses(スクラッチスコアの3以上が3日以上続いた回数)
※軟膏は1日2回塗布

<割付>
コンピュータで表を生成。4つごとのブロック割付
層別化は行われていない
<baseline>
だいたい同じ?

<隠蔽化>
患  者:〇
医療者:〇?
評価者:〇
解析者:〇

<解析>
ITTで解析?
脱落率・・・ベクロメタゾン群:12.6%(13/103)、ヒドロコルチゾン群:21.2%(22/104)
サンプルサイズ・・・α=0.05、power=90%、15%の差を検出するのに89例、脱落10%予測

<outcome>
患者さんの日誌から判定
・掻かなかった日数(スクラッチスコアが2以下。母数は18週×7日で126日?)
 ベタメタゾン群:117.5日 (99.3-125.0)  (スコアが1の日数は73)
 ヒドロコルチゾン群:118.0日(99.8-124.0)  (スコアが1の日数は85)
 P=0.53 (スコアが1の日数のP=0.70)
・悪化の回数(スクラッチスコアの3以上が3日以上続いた回数)
 
 ベタメタゾン群:1.0 (0.0-3.0)
 ヒドロコルチゾン群:1.0 (0.0-3.0)
 
 P=0.32
 ※44%(73名)から報告がなかったが、感度分析でもP=0.52

【読んだ後のディスカッション】
・保湿が前提だが、短期強いのを使うのも、弱いのを継続するのも効果に差があるとは言えない
・アトピー性皮膚炎のガイドラインは読んでも薬局でどうしたらよいのかがいまいち分からない
・ブラインドしても、ステロイド使えば状態が改善するので分かるのではないか?
・ステロイドは皮膚を薄くする作用があるらしい
・18週(約4ヶ月)で副作用は著明に出るものなのか?もう少し長いと変わるのか?
・Drによって軟膏を使う量の指示が異なるのが疑問。最近は多めにと指示するDrが多いような
・アトピーは難しい。子どもの場合は親の意向もあり、ステロイドを拒否するような家庭もある
・保湿剤+たまに強いのだと、ついついステロイドの軟膏を使いすぎてしまうのではないか?
・毎日同じ物を続けて使うほうが簡便のような気もする。