福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2017年8月26日土曜日

第36回まとめ(高齢者のワーファリンのINRによるリスクの違いは?)

【日時】
2017/8/25(金) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
高齢者でワーファリンのPT-INRのコントロール域によって、血栓症と出血のリスクはどの位異なるのか?(PT-INRが一般的な目標値より低い高齢者が継続して飲んでいたが、大丈夫なのか?)

【読んだ論文】
Circ J. 2013;77(9):2264-70.
プロトコル論文 J Cardiol. 2011 Jan;57(1):95-9.


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P 20歳以上の非弁膜性心房細動の患者
I ワーファリンを使用(INR ≦1.59, 1.6-1.99, 2.0-2.59, 2.6-2.99, ≧3)
C ワーファリンを不使用
O 血栓塞栓イベント(脳梗塞・TIA・全身塞栓症)、入院が必要な大出血
 
<コホート>
コホート:2010年1月~7月に、全国150カ所の各参加機関の外来で募集
     洞調律を1年以上維持しているすべてのタイプのAF患者を連続して登録
     偏りを防ぐために日本全国を10の地域に分けて目標数を設定
     2.5%の発生率を予測し6000人を目標とし、7937人が登録
     ワーファリンの服用量などは各Drが決めている
追跡期間:2年 またはアウトカムが発生するまで
アウトカム:予後、害
<脱落>
421人が僧帽弁狭窄または機械的弁置換術の既往のため除外
<マスキング>
CTもしくはMRIで診断だが、マスキングは記載なし
<交絡因子>
Cox比例ハザードモデルで調整
どの因子を調節しているかは記載なし
※年齢、性別、発作性AF、心不全、糖尿病、高血圧、脳梗塞orTIA、
 CHADS2スコア、抗血小板薬服用、は各群の表に記載あり
 
<Outcome>
Table5

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【読んでからのディスカッション】
・交絡因子はTable1に書いてある内容が調節されていると考えてよいの??
・コントロールが良い人が多い?
・7年前だけど、PT-INRは1.5-2.5にコントロールというのが守られている?
・海外で良く言われるPT-INR<3.0というのも確かにメリットありそう
・70歳以上とそれ未満で分けてサブ解析しているけど、
 高齢者は転倒リスク高いからかPT-INRが高いと出血リスクが増えやすいらしい
・70歳以上は、PT-INR<2.5という目標値も妥当なのかもしれない
・お題のような症例は、もう少しPT-INRを上げて1.5以上の目標値以内をDrに提案しても良いかも

【ロールプレイング】
ワーファリンを継続していて、
交付時に検査値を見せてもらったらPT-INRが1.6未満だった患者さんの応対

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