福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2017年1月31日火曜日

第30回抄読会まとめ(ダビガトランの110mgと150mgは効果に差があるの?)

【日時】
2016/1/26(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
ワーファリンからの切り替えで、プラザキサは110mgが良く使われているが、150mgと差はないのか?

 【読む論文】
N Engl J Med. 2009 Sep 17;361(12):1139-51.
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P 18歳以上の心房細動の患者で以下の条件に合致する人
  (脳卒中・TIA・全身性塞栓症の既往、駆出率が40%以下、
   NYHA分類2以上の症状のある心不全、75歳以上、
   65歳以上で糖尿病・冠動脈疾患・高血圧既往の人)
I   ダビガトラン110mg、ダビガトラン150mg
C ワーファリン(INR2-3) 
O 脳卒中、全身性塞栓症
 
<割付>
ダビガトラン110、ダビガトラン150、ワーファリン群に1:1:1になるように割付
ハミルトンにあるPHRIのコーディネートセンター内の
音声自動応答システム(IVRS)を介して割付
ベースラインはだいたい同等
<追跡>
ITT解析(フォローアップ99.9%)
治療中止(ダビガトラン110mg、150mg、ワーファリンの順)
 1年 14.5%, 15.5%, 10.2%
 2年 20.7%, 21.2%, 16.6%
<盲検化>
オープンラベル(PROBE法)
ダビガトラン110mg⇔150mgはブラインド
<その他>
症例数 power 84%で15000人、
    プロトコル変更で低いイベント発生率を想定し18000人
ワーファリンの治療域に入っていた期間は64%
非劣性試験 非劣性マージン<1.46
ベーリンガーがスポンサー
 
<Outcome>
脳卒中・全身性塞栓症
 ダビガトラン110mg  182 / 6015 (1.53%/年) 対ワーファリンRR= 0.91 (0.74 - 1.11)
 ダビガトラン150mg  134 / 6076 (1.11%/年) 対ワーファリンRR= 0.66 (0.53 - 0.82)
 ワーファリン     199 / 6022 (1.69%/年)
Major Bleedeing
 ダビガトラン110mg  322 / 6015 (2.71%/年) 対ワーファリンRR= 0.80 (0.69 - 0.93)
 ダビガトラン150mg  375 / 6076 (3.11%/年) 対ワーファリンRR= 0.93 (0.81 - 1.07)
 ワーファリン     397 / 6022 (3.36%/年)
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【読んでからのディスカッション】
・オープンラベルなので、プラセボ効果を考慮した方が良いか?
・ベーリンガーがスポンサーなのは割り引くべきか?
・非劣性試験で優越性を証明するのは問題か?
・ランダム割付なので、添付文書に記載してあるような減量基準は無関係
 150mgだと出血が増えたり、110mgだとアンダーユースになったりするかも?
・アウトカムだけ見ると
 予防効果は、ダビガトラン110mg=ワーファリン<ダビガトラン150mg
 出血イベントは、ダビガトラン110mg<ワーファリン=ダビガトラン150mg
・予防効果のワーファリンに対するNNTは、110mg:625人、150mg:173人
 出血イベントのワーファリンに対するNNHは、110mg:154人、150mg:400人
・ワーファリンと効果が同程度で出血が少ないなら、
 アンダーユースでも110mgが頻用されてるのは、仕方がないか
 
【ロールプレイング】
ワーファリンからダビガトランに処方変更になった人への服薬指導

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