福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2016年12月6日火曜日

第29回抄読会まとめ(PPIはNSAIDs誘発潰瘍の予防になる?)


【日時】
2016/12/2(金) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 中島

【お題】
NSAIDsの胃潰瘍再発抑制として、PPI等が使用されるケースがあるが、本当に効果があるのか?安全性は?
 
【読んだ論文】
Drug Healthc Patient Saf. 2009;1:47-71.

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P 18歳以上でNSAIDsを4週以上使用している関節炎、リウマチなどの患者
I  胃保護薬(ミソプロストール、H2阻害薬、PPI)
C プラセボ
O 臨床的な上部消化管障害(穿孔、閉塞、出血、潰瘍)、または内視鏡的潰瘍の割合
 
<検索>
Cochrane Database Syst Rev. 2002;(4):CD002296. に記載(abstractしか見れない)
検 索:EMBASE, MEDLINE, CENTRAL
    Biosis Previews(R), ADIS LMS Drug Alerts, Pharmaceutical News Index (PNI)
対 象:RCT
言 語:??
期 間:~2002.06
その他:専門家や企業と連絡を取った
<試験の選択>
2名が独立して実施
<データ抽出>
2名が独立して実施
<risk of bias>
2名が独立して実施
Jadad scaleで評価
 
<outcome>
胃潰瘍(6試験)
 PPI    93/744 (12.5%)
 プラセボ 131/486 (27.0%)
 RR 0.39 ( 0.31 to 0.50, I² = 0%)
十二指腸潰瘍(5試験)
 PPI    10/508 (1.96%)
 プラセボ   38/375 (10.1%)
 RR 0.20 ( 0.10 to 0.39, I² = 0%)
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【読んでからのディスカッション】
・普段よく処方のでるNSAIDsの副作用予防のH2阻害薬やPPIは
 ちゃんと効果があったらしい。
・H2阻害薬も高用量(ファモチジン40mgなど)だと予防効果は劣らないみたい。
・PPIのNNTを計算すると胃潰瘍が7人、十二指腸潰瘍が13人なので、
 予防効果としては大きそう
・副作用は、ミソプロストールよりは良いくらいしか分からない
・NSAIDsを連用する場合の、H2阻害薬、PPIは、
 ちゃんと飲んでねと指導するメリットが大きそう
 
【ロールプレイング】
NSAIDsが長期で処方された患者さんにPPIが一緒に出ていた場合の服薬指導