福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2016年10月29日土曜日

第28回抄読会予定


【日時】
2016/11/4(金) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
ひのき薬局 岡本

【お題】
ドネペジルは状態が安定している場合は中止してみてもよいのか?

91歳女性から以下のような質問があったので、解決したい。
「頻尿で泌尿器の先生に相談したらドネペジルのせいって言われた。
 ふだん診てもらっている先生にもそのことを相談したら、
 元気だし、ずっと続けているから1回止めてみましょうか?
 と言われたけど、大丈夫かしら??」
 
【読む論文】
N Engl J Med. 2012 Mar 8;366(10):893-903.

【勉強してきた方が良いこと】
・ドネペジルとメマンチンの薬効、薬理
・MMSE(ミニメンタルステート検査:日本語)
・BADLS(Bristol ADLs:英語)

2016年10月8日土曜日

第27回抄読会まとめ(PPIはCKDのリスク因子?)


【日時】
2016/10/6(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
CKDに対してPPIは用量調節は不要とされているが、連用により腎機能に影響は与えないのか? 
 

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P eGFR≧60 mL/min/1.73m2の人(10482人)
E PPI、H2阻害薬の使用
C 非使用
O  退院時にCKDの診断、もしくは死亡/eGFR<60 mL/min/1.73m2の患者数
<追跡期間>
ARIC試験 1996/2/1 ~ 2011/12/31(中央値13.9年)
Geisinger Health System 1997/2/13 ~ 2014/10/9(中央値6.2年)
<脱落>
ARIC試験 11656人→10482人 1174人(約10%)
Geisinger Health System データベース解析なのでなし
<交絡因子の調整>
Cox比例ハザード回帰
<その他>
ARIC試験では、maskingはされていない。
データベースのコードによるOutcomeの評価
<Outcome>
PPI 使用 vs 非使用者 
 ARIC試験
   PPI 56/322  14.2件/1000人年
   非使用者 1382/10160  10.7件/1000人年
   調整ハザード比 1.50 (1.14-1.96)
 Geisinger Health System
   PPI 1921/16900  20.1件/1000人年
   非使用者 28226/231851  18.3件/1000人年
   調整ハザード比 1.17 (1.12-1.23)
 
H2阻害薬使用 vs 非使用者 (調整ハザード比)
 ARIC試験 1.15 (0.98-1.36)
 Geisinger Health System 0.93 (0.88-0.99)
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【読んでからのディスカッション】
・eGFR<60 mL/min/1.73m2でCKDと定義されるので、アウトカムの設定はおおむね問題ないと思う。
・プロテカジンを除くH2阻害薬と違い、容量調節が不要なので腎臓内科の処方でもよくPPIは見る
・調整ハザード比で1.1~1.9、もしくは、1.2±なので、CKDのリスクは上がるが、そこまで高いわけでもないかも。
・NNHは、286人年、556人年。
・GERDは再発も多いので、飲むのをやめて症状が出るようなら、無理にやめる必要はないかもしれない。

【ロールプレイング】
GERDでPPI服用している患者さんから、最近腎機能が落ち着いてると言われたと話があった場合の服薬指導。