福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2020年2月15日土曜日

第52回抄読会まとめ(座りっぱなしは良くない?動いたほうがよい?)

【日時】
 2020/2/12(水) 19:00~

【場所】
 コロニーハウス

【担当】
 けやき薬局 馬場

【お題】
座りっぱなしが良くない、動いたほうがよいとフレイルなどでも言うがどの程度差があるのか?

【読んだ論文】
Ekelund U, Tarp J, et al
BMJ. 2019 Aug 21;366:l4570.
Dose-response associations between accelerometry measured physical activity and sedentary time and all cause mortality: systematic review and harmonised meta-analysis

=========================================
P  40歳以上
E/C Physical activity, Sedentary
O  Mortality

<検索>
検 索:PubMed、PsycINFO、Embase、Web of Science、Sport Discus
期 間:〜2018.July
言 語:英語 スカンジナビア語
その他:参照文献まで調べた。
    著者に連絡をとり出版されていない試験を調べた
518件→abstract review 313件→full text review 39件→8件

<データ抽出>
1名で行い、もう1名がチェックを行った。
著者に連絡を取りデータを提供してもらい、
今回の定義に当てはまるように再構成を実施
 ・非着用:0cpmgが90分持続
 ・inclution:1日10時間着用で4日以上
 ・運動強度:加速度センサーのcounts per minuteで分類
       sedentary ≦100cpm
       LPA 101-1951cpm
        Low LPA  101-759cpm
        High LPA 760-1951cpm
       MVPA ≧1952cpm
       VPA  ≧5725cpm

<Risk of bias>
 Newcastle Ottawa quality assessment scale(NOS)
2人で独立して行った。不一致は合意形成
9点:7/8、8点:1/8

<交絡因子の調整>
モデルA 着用時間、年齢、性別
モデルB モデルA、社会的地位、BMI、座位・MVPAの相互調整
モデルC モデルB+各研究の最終モデルの共変量の調整

<その他>
出版バイアス 不明

<結果>
LPA    300min/day以上はほぼプラトー
 Low LPA   用量依存的に右肩下がり
 High LPA  70min/day以上はほぼプラトー
MVPA  20min/dayくらいを底にJカーブ、50-60分でHR0.5程度
座位    7.5時間/日を基準、用量依存的に右肩上がり

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【ディスカッション】
・MVPAという概念は良く知らなかったけど、一般的な概念らしい。
 MVPA:3MTEs以上の運動強度でアメリカのガイドラインなどにも書いてある
 second edition of the Physical Activity Guidelines
・日本では、生活習慣病の予防には3メッツ以上で23メッツ・時/週の活動量が必要とされる
 (厚生労働省 健康づくりのための身体活動基準2013
・どの程度の運動をどのくらいすればよいのか?というのはよく質問されるので
 目安があるのは分かりやすくて良い
・用量依存的でMVPAは10分程度でもHR0.7~0.6なので、ちょっと歩く位も有効なのかも
・高齢者が施設内で歩ったくらいでも(転倒がなければ)やったほうがよさそう?
・平均すると7時間ちょっとは普通の人でも座っているというのが意外。
 9時間あたりから傾きが大きくなるみたい。
・介入試験ではないので、運動している人の方が死亡率が低いのは確かだが、
 運動したほうが死亡率が下がるかは分からない。
・用量依存的なので動いた方が健康には良いと言っても大丈夫そう?

【ロールプレイング】
動きたくない高齢者への対応

2019年9月5日木曜日

第49回抄読会まとめ(カナグリフロジンの腎保護作用?)

【日時】
 2019/9/4(水) 19:00~

【場所】
 モスバーガー

【担当】
 みずき薬局 中島

【お題】
 最近SGLT-2阻害薬が腎保護作用があると言われているけどどうなの?

【読んだ論文】
 N Engl J Med. 2019 Jun 13;380(24):2295-2306. 
 Canagliflozin and Renal Outcomes in Type 2 Diabetes and Nephropathy.

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P 30<GFR<90で尿蛋白3+でARBかACE阻害薬服用中の2型糖尿病患者
I  カナグリフロジン100mg
C プラセボ
O 重度(GFR<15mL:透析間近)CKD、Scrの倍化、腎・心関連死の複合アウトカム

<割付>
ランダム化、
置換ブロックPermuted blocks 割付
GFR 30<45,45<60,60<90 で層別化
隠蔽化:中央でコンピューター生成のランダム化スケジュールを用いて割付

<Baseline>
だいたい同等

<解析>
2重盲検 double blind
ITT COX比例ハザードモデル
脱落 1201人(27.3%)
追跡 4361人(99.1%)
アドヒアランス 84%
フォローアップ 2.62年(0.02〜4.53)
有効性評価項目達成のため早期中止

<サンプルサイズ>
4200人(844イベント)
α 0.045 power 90%
カナグリフロジンの方が20%イベント↓で計画

<Outcome>
カナグリフロジン
 245/2202(43.2 events/1000人年)
プラセボ
 304/2199(61.2 events/1000人年)
HR 0.70(0.59-0.82)
NNT 56人/年
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【読んでからのディスカッション】
・対象患者が尿蛋白>300㎎で3+相当なので、余り日常でお目に掛からないような層で、
 日常目にするような軽度のCKDや糖尿病患者には情報の適応が難しくないか?
・CANVASなども重病な方が対象だったので、
 軽症な患者さんを対象にすると差がでにくいと考えているのかもしれない。
・約60%の被験者がGFR<60なので割と腎機能障害進み気味。
・ベースラインで、グリコヘモグロビン8.3%、BMI30、心血管疾患50%
・ARBやACE-Iをすでに飲んでいる人への上乗せ効果なのは注意が必要
・SGLT-2阻害薬追加の方が収縮期血圧が2-3mmHg低くなっている
・複合アウトカムのうち心血管死も大きな割合を占めるので、
 腎保護作用と言い切ってよいのかは分からない。
・末期CKDや透析患者に心血管イベントが多いのは事実なので、良いのではないか?
・もっとマイルドな患者層に、GFRの低下とかをアウトカムにしてくれれば、
 もっと日常で使いやすいエビデンスになるのに。

2019年4月6日土曜日

第48回抄読会まとめ(アルツハイマー病に対するリバスチグミン)


【日時】
 2019/4/5(木) 19:00~

【場所】
 コロニーハウス

【担当】
 ひのき薬局 岡本

【お題】
 リバスチグミンの貼付剤は認知症に対してどのくらい効果があるの?

【読んだ論文】
 Cochrane Database Syst Rev. 2015 Sep 22;9:CD001191.

===========================================
P 軽度~中等度の認知症患者
I  リバスチグミンのCAPもしくはテープ剤
C プラセボ
O 認知症スコア

<レビュー>
コクランのSR、GRADEを利用

<検索>
検 索:ALOIS ( MEDLINE, EMBASE, CINAHL, PsycINFO, LILACS を月1回検索しているコクランの認知症関連データベース)
    ISRCTN, UMIN, WHOの治験登録プラットフォーム, CENTRAL,  FDA, EMEA, NICE  
    Copernic, Google,
対 象:12週以上のプラセボ対照の2重盲検RCT
言 語:記載なし(データベースから英語以外も検索してそう?)
期 間:~2015/03
その他:grey literature sources→ISI Web of Knowledge Conference Proceedings, Index to Theses, Australasian Digital Theses
    参照文献 →検索した
    著者と連絡→記載なし
    未公開試験→製薬会社と連絡を取った

<網羅的か?>
Primary outcome対象は、6試験
全体で 13試験が組み入れ
出版バイアスについては記載なし

<試験の選択>
1名(JSB)が実施?

<データ抽出>
1名(JSB)が実施  

<質の評価>
実施者は記載なし
Chocraneのrisk of biasツールを使用

<outcome>
ADAS‐Cogスコア(MAX70点、点数高いほど認知症が重度)
 MD ‐1.79(95%CI ‐2.21 to ‐1.37, n = 3232, 6 試験)
MMSEスコア(MAX30点、点数が低いほど重度)
 MD   0.74(95%CI 0.52 to 0.97, n = 3205, 6 試験)
===========================================

【読んでからのディスカッション】
・認知症の試験は、スコアの改善度合いがアウトカムとして評価されることが多いが、
 1-2点の差がどの程度臨床上の違いとして現れるかは毎回疑問
・ADLやQOLで評価されている試験は少なく、差は小さいようだ
・ドネペジルなどでもそうだが、薬を使っても、使わなくても認知症は進み、
 薬を使ったほうが症状の悪化が緩徐という点を家族に理解してもらうことが難しい
 と普段感じている
・リバスチグミンは18㎎だと1枚400円以上でなかなかのお値段
 軽~中等度が適応なので、認知症がかなり進んだ状態では使うメリットは少ないかも
・他の治療法があまりない以上、治療をやめるという選択肢を提示するのは、
 Drとよく話せるような関係ではない限り難しいか??
・海外でCAPがあるのは知らなかった
 貼付剤は認知症が進んでくると貼ったり、交換するのが難しくなる印象

【ロールプレイング】
・半年くらいリバスチグミンの貼付剤を使用して、
 ご家族の認知症について悩んでいるご家族への服薬指導

2018年9月10日月曜日

第44回抄読会まとめ(5:2ダイエットは有効?)


【日時】
 2018/9/5 (水)

【場所】
 コロニーハウス

【担当】
 けやき薬局 馬場

【お題】
週の2日カロリー制限をするという5:2ダイエットは、糖尿病の食事療法として有効なの?? 

【読んだ論文】
  JAMA Network Open. 2018;1(3):e180756.

【まとめ】
P 18歳以上でBMI≧27で、血圧が160/100mmHg未満の2型糖尿病患者
I  週のうち2日をカロリー制限(その日のみ普段の25%):IER
C 継続的にカロリー制限(75%で継続):CER
O 1年後のHb1Acの変化量

※非劣勢試験のRCT
※どちらの介入も栄養士による指導が行われている。
 頻度は、最初の3か月は2か月に1回、残りの期間は2-3か月に1回

<割付>
オンラインの乱数表により1:1に割付
性別とBMIで層別化
<ベースライン>
SU剤の使用率と1日の平均歩数が介入群で多い
他はだいたい同じ
<ブラインド>
なし(オープンラベル)
<解析など>
解析 ITT
脱落 IER:19/70=27.1%
   CER:21/67=31.3%
サンプルサイズ
   α=0.05 power=80%で、104人
非劣勢マージン
   Hb1AC ±0.5%
   体重 ±2.5㎏
<結果>
Hb1AC
 IER -0.3%(95%CI -0.6 to -0.08)
 CER -0.5%(95%CI -0.8 to -0.2)
 平均差 0.2%(95%CI -0.2 to 0.5, P=0.65)

【感想・ディスカッション】
・ベースラインのBMIが30以上でありなかなかの体格なので、
 日本人にそのまま当てはめてよいかは分からない。
・栄養士ががっつり介入すれば1年後の70%残っているというのは、
 なかなかすごいと思う
・食事方法よりもトータルの摂取量を減らせば体重の減り方は変わらない?
・毎日がまんできないという人には、
 たまに頑張りましょうという選択肢が提示できるので、良いかもしれない

2018年8月17日金曜日

第44回抄読会予定

【日時】
 2018/9/5 (水)

【場所】
 コロニーハウス

【担当】
 けやき薬局 馬場(き)

【お題】
週の2日カロリー制限をするという5:2ダイエットは、糖尿病の食事療法として有効なの?? 

【読む論文】
  JAMA Network Open. 2018;1(3):e180756.

2018年4月23日月曜日

第42回抄読会予定


【日時】
2018/5/15(火) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
ひのき薬局 岡本

【お題】
検討中

2018年2月26日月曜日

第41回抄読会予定


【日時】
2018/3/17(火) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 馬場

【お題】
低炭水化物ダイエットは、低脂質ダイエットより体重が減りやすいのか?

【読む論文】