福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2016年4月23日土曜日

第22回抄読会まとめ(花粉症の舌下免疫療法でQOLは改善する?)

【日時】
2016/4/21(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
いぶき薬局 中島

【お題】
花粉症に対する、舌下免疫療法は、従来の抗アレルギー剤による対症療法よりもQOLは向上するのか?
 
【読んだ論文】
BMC Med. 2014 May 1;12:71

***********************
P 草や木の花粉アレルギーのある大人~子ども
I  SLIT(舌下減感作療法)
C 従来のアレルギー治療薬
  (第二世代抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻、MP29-02、モンテルカスト)
O 症状スコアの変化
 
<検索>
検 索:MEDLINE、EMBASE、Pubmed、CENTRAL
対 象:各群100人以上のRCT
言 語:不明
その他:特に記載なし
<試験の選択>
各群が100人以上の理由以外は、記載なし
<データ抽出>
方法については記載なし
<risk of bias>
記載なし
<outcome>
高ヒスタミン薬とSLITの症状スコアの比較(23試験10206人)
hg = -0.39 (fixed:-0.45 to -0.35, 異質性:I2=57.05%,p=0.0004)
※hg:Hedge's g = (対照の平均値 - 介入平均値) ÷ 不偏標準偏差
***********************
 
【読んでからのディスカッション】
・方法論について記載がほぼ記載がないので信用してよいかが不明
・異質性も高いので割引いて考えたほうが良い?
・SLITをどのくらいの期間使用している人を対象にしているのかが不明。
 1年目と2年目、3年目では効果に違いが出そう。
・どのくらいの症状の人を対象にした試験なのかもよく分からない。
 酷い人の方が改善効果が高いのか?
・抗アレルギー薬対減感作療法だが、減感作療法していても抗アレルギー薬は使うので、
 実際に来る処方と乖離していないか?
・有料であきらめたが、JAMA Intern Med. 2015 Aug;175(8):1301-9. とかを
 購入して読んだほうが良かったか?
・シダトレンは薬価100.8円、1ヶ月で3024円、1年で36792円。そこまで高くない?
 2-5年継続となっているので、年単位で続けることを考えるとけっこうな額か?
・減感作療法で、症状緩和される傾向はあるようなので、
 症状が酷い人は検討してもよいのかも知れない。

【ロールプレイング】
減感作療法を実施している患者さんへの花粉シーズンへの応対

2016年4月15日金曜日

第22回抄読会予定

【日時】
2016/4/21(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
いぶき薬局 中島

【お題】
花粉症に対する、舌下免疫療法は、従来の抗アレルギー剤による対症療法よりもQOLは向上するのか?
 
【読む論文】
BMC Med. 2014 May 1;12:71

【勉強してきたほうが良いこと】

・減感作療法ってなんだ?
 シダトレンのwebページ http://www.torii-alg.jp/

2016年3月29日火曜日

第21回抄読会まとめ(ポリファーマシーで転倒は増える?)


【日時】
2016/3/17(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本

【お題】
最近高齢者のポリファーマシーというのが話題になっているけど、多剤併用していたほうが転倒は増えるのか?(なんとなく増えそうだけど)
 
【読んだ論文】
Age Ageing. 2015 Jan;44(1):90-6

**********************
P 50歳以上の認知症のない成人
E ポリファーマシー(5薬品以上服用)
C ポリファーマシーではない
O 転倒数、転倒者数、怪我を伴う転倒
 
追跡期間約2年のコホート研究
 
<コホート>
アイルランドのTILDAに登録している50歳以上8175人
<脱落>
18.45% (201名死亡)
<masking>
アンケート調査時の観察者のマスキングについては記載なしのため不明
<交絡因子の調整>
fall  ポアソン回帰分析
人数 負の二項回帰
 
<outcome>
ポリファーマシー単独(1140人)
Any fall      調整RR 1.01 (0.90 - 1.14)
Nunber of fall 調整RR 1.10 (0.93 - 1.30)
Injurious fall   調整RR 1.02 (0.84 - 1.24)
**********************
 
【読んでからのディスカッション】
・調査者が転んだか?怪我したか?等聞いたそうなので、記憶違いはバイアスとしてありそう
・意外だったが、ポリファーマシーのみの要因で転倒が増えるわけでもないみたい
・転倒が増えそうな、降圧薬、利尿薬飲んでいても転倒は余り変わらないみたい
・BZDは、ポリファーマシーでも、そうでなくても転倒リスクを増やすらしい
・抗うつ薬+ポリファーマシーで転倒が増える傾向と著者らは分析している
・たくさん薬を飲んでいるからというよりは何を飲んでいるか?など
 転倒しそうな要因はないかを確認する方が大切?
・交絡因子の調整方法が具体的に何をするのかがさっぱりだったので統計の勉強の必要あり?
 
【ロールプレイング】
しなかった。

2016年2月29日月曜日

第21回抄読会予定

【日時】
2016/3/17(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本

【お題】
最近高齢者のポリファーマシーというのが話題になっているけど、多剤併用していたほうが転倒は増えるのか?(なんとなく増えそうだけど)
 
【読む論文】
Age Ageing. 2015 Jan;44(1):90-6

【勉強してきたほうが良いこと】

・コホート研究ってどんな研究デザイン?

第20回抄読会まとめ(オセルタミビルはどのくらい効果があるの?)


【日時】
2016/2/8(月) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
インフルエンザの検査陽性だったからとこの季節によく処方が来るオセルタミビル(タミフル)は、季節性のインフルエンザにどのくらい効果があるのか?
 
**************************
P 健康な大人と子ども
I  オセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)
C プラセボ
O 症状の緩和、入院・合併症、害

<検索>
検 索:CENTRAL、MEDLINE、EMBASE、Pubmed、DARE、NHSEED、HEED
対 象:RCT
言 語:制限なし
その他:FDA、EMEA、ロッシュ、GSK、PMDA、SBAを別途フォローアップ
<試験の選択>
2名が独立して行い、不一致はディスカッションで解決
<データ抽出>
2段階でCONSORTに則り実施
2グループが独立して実施、不一致はディスカッション
<risk of bias>
コクランのrisk of biasツールを使用
<outcome>
・症状軽快までの時間
 平均差 16.8時間 ( 8.4 to 25.1, I2=0% )
・入院
 RD 0.15% (-0.78 to 0.91 )
・肺炎
 RR 0.55 ( 0.33 to 0.90 )
**************************

【読んでからのディスカッション】
・risk of baisテーブルは赤が多い。シークエンス作成、ブラインドが大部分でハイリスク。
 other biasは、必要数以下の募集がほとんどにあるみたい。
・熱が下がるのが7日で1日程度早まるなら、飲みたいという人はいるのではないか?
・ハイリスクな人は飲んでも良いのかも知れない。
・吐気、下痢等の副作用は、交付時に指導したほうが発生頻度からすると良いようだ。
・肺炎は減少で有意差があるようだが、個々の試験の信頼区間が広いので、信頼性は疑問。
・季節性のインフルエンザに対してなので、強毒性のウイルスに対する有効性は不明
・薬を飲む、飲まないに関らず、インフルエンザになったら
 仕事は休んで家で寝ていられるという環境整備も大切かも

2016年1月20日水曜日

第20回抄読会予定


【日時】
2016/2/8(月) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
インフルエンザの検査陽性だったからとこの季節によく処方が来るオセルタミビル(タミフル)は、季節性のインフルエンザにどのくらい効果があるのか?
 
【読む論文】
Cochrane Database Syst Rev. 2014 Apr 10;4:CD008965.

【勉強してきたほうが良いこと】

・ノイラミニダーゼ阻害薬の作用機所
・インフルエンザに対する一般的な知識
 参考:厚生労働省 インフルエンザQ&A

2016年1月9日土曜日

第19回抄読会まとめ(下痢に整腸剤は、効果があるのか?)


【日時】
2016/1/7(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
いぶき薬局 中島

【お題】
下痢に整腸剤はよく見かける処方だが、急性(感染性)胃腸炎による下痢症状に整腸剤は有効なのか?
 
 

******************************
P 1日3回以上の下痢便を伴う急性下痢の5歳未満の小児
I  プロバイオティクス(整腸剤)
C プラセボ and/of プロバイオティクスを含まない標準的で適切な下痢への対処
O 死亡、入院、下痢の期間、トイレに行く回数
 
<検索>
検 索:PubMed, Cochrane Library, WHO Regional Databases, Web of Science,
     Biosis, Popline, Global Health, Scopus,  Embase
対 象:RCT
言 語:制限なし
その他:全文が見れない場合は著者へ問い合わせした。参考文献検索は記載なし
<データ抽出>
方法は記載なし
<risk of bias>
CHERG編のGRADE techniqueを使用と記載あり。詳細不明。
出版バイアスは検討していない
 
<outcome>
下痢の期間(6試験) Average percent difference  -14.0% (-24.2 to -3.8%) low
下痢便回数(3試験) Average percent difference  -13.1% (-25.3 to -0.8%) moderate/low
入院(2試験) RR 0.81 (0.42 to 1.57) moderate/low
死亡 該当の試験がない
******************************
 
 
【読んだ後のディスカッション】
・bias について判断できる所が、あまり記載されていないのでよく分からない。
・著者を信用するとものすごく効くわけではないが、やや効果があるという結果か?
・整腸剤で副作用があるという話をほとんど聞かないので、とりあえず飲むという選択肢は、
 親御さんの心情を考えるとありかも知れない。
・1週間下痢が続くとすると、14%だと1日短くなるくらい。
 1週間で考えると最大で1.7日、最小で変化なし。
・下痢は、水分補給等の対症療法や感染拡大予防の方が治療には大切かも。
・よく目にする下痢に整腸剤という選択が無駄ではないようなのでよかった。安いし。
 
【ロールプレイング】
下痢で受診した小児へ整腸剤のみ処方された場合の親御さんへの服薬指導