福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2016年2月29日月曜日

第21回抄読会予定

【日時】
2016/3/17(木) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本

【お題】
最近高齢者のポリファーマシーというのが話題になっているけど、多剤併用していたほうが転倒は増えるのか?(なんとなく増えそうだけど)
 
【読む論文】
Age Ageing. 2015 Jan;44(1):90-6

【勉強してきたほうが良いこと】

・コホート研究ってどんな研究デザイン?

第20回抄読会まとめ(オセルタミビルはどのくらい効果があるの?)


【日時】
2016/2/8(月) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
インフルエンザの検査陽性だったからとこの季節によく処方が来るオセルタミビル(タミフル)は、季節性のインフルエンザにどのくらい効果があるのか?
 
**************************
P 健康な大人と子ども
I  オセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)
C プラセボ
O 症状の緩和、入院・合併症、害

<検索>
検 索:CENTRAL、MEDLINE、EMBASE、Pubmed、DARE、NHSEED、HEED
対 象:RCT
言 語:制限なし
その他:FDA、EMEA、ロッシュ、GSK、PMDA、SBAを別途フォローアップ
<試験の選択>
2名が独立して行い、不一致はディスカッションで解決
<データ抽出>
2段階でCONSORTに則り実施
2グループが独立して実施、不一致はディスカッション
<risk of bias>
コクランのrisk of biasツールを使用
<outcome>
・症状軽快までの時間
 平均差 16.8時間 ( 8.4 to 25.1, I2=0% )
・入院
 RD 0.15% (-0.78 to 0.91 )
・肺炎
 RR 0.55 ( 0.33 to 0.90 )
**************************

【読んでからのディスカッション】
・risk of baisテーブルは赤が多い。シークエンス作成、ブラインドが大部分でハイリスク。
 other biasは、必要数以下の募集がほとんどにあるみたい。
・熱が下がるのが7日で1日程度早まるなら、飲みたいという人はいるのではないか?
・ハイリスクな人は飲んでも良いのかも知れない。
・吐気、下痢等の副作用は、交付時に指導したほうが発生頻度からすると良いようだ。
・肺炎は減少で有意差があるようだが、個々の試験の信頼区間が広いので、信頼性は疑問。
・季節性のインフルエンザに対してなので、強毒性のウイルスに対する有効性は不明
・薬を飲む、飲まないに関らず、インフルエンザになったら
 仕事は休んで家で寝ていられるという環境整備も大切かも

2016年1月20日水曜日

第20回抄読会予定


【日時】
2016/2/8(月) 19:00~

【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場

【お題】
インフルエンザの検査陽性だったからとこの季節によく処方が来るオセルタミビル(タミフル)は、季節性のインフルエンザにどのくらい効果があるのか?
 
【読む論文】
Cochrane Database Syst Rev. 2014 Apr 10;4:CD008965.

【勉強してきたほうが良いこと】

・ノイラミニダーゼ阻害薬の作用機所
・インフルエンザに対する一般的な知識
 参考:厚生労働省 インフルエンザQ&A

2016年1月9日土曜日

第19回抄読会まとめ(下痢に整腸剤は、効果があるのか?)


【日時】
2016/1/7(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
いぶき薬局 中島

【お題】
下痢に整腸剤はよく見かける処方だが、急性(感染性)胃腸炎による下痢症状に整腸剤は有効なのか?
 
 

******************************
P 1日3回以上の下痢便を伴う急性下痢の5歳未満の小児
I  プロバイオティクス(整腸剤)
C プラセボ and/of プロバイオティクスを含まない標準的で適切な下痢への対処
O 死亡、入院、下痢の期間、トイレに行く回数
 
<検索>
検 索:PubMed, Cochrane Library, WHO Regional Databases, Web of Science,
     Biosis, Popline, Global Health, Scopus,  Embase
対 象:RCT
言 語:制限なし
その他:全文が見れない場合は著者へ問い合わせした。参考文献検索は記載なし
<データ抽出>
方法は記載なし
<risk of bias>
CHERG編のGRADE techniqueを使用と記載あり。詳細不明。
出版バイアスは検討していない
 
<outcome>
下痢の期間(6試験) Average percent difference  -14.0% (-24.2 to -3.8%) low
下痢便回数(3試験) Average percent difference  -13.1% (-25.3 to -0.8%) moderate/low
入院(2試験) RR 0.81 (0.42 to 1.57) moderate/low
死亡 該当の試験がない
******************************
 
 
【読んだ後のディスカッション】
・bias について判断できる所が、あまり記載されていないのでよく分からない。
・著者を信用するとものすごく効くわけではないが、やや効果があるという結果か?
・整腸剤で副作用があるという話をほとんど聞かないので、とりあえず飲むという選択肢は、
 親御さんの心情を考えるとありかも知れない。
・1週間下痢が続くとすると、14%だと1日短くなるくらい。
 1週間で考えると最大で1.7日、最小で変化なし。
・下痢は、水分補給等の対症療法や感染拡大予防の方が治療には大切かも。
・よく目にする下痢に整腸剤という選択が無駄ではないようなのでよかった。安いし。
 
【ロールプレイング】
下痢で受診した小児へ整腸剤のみ処方された場合の親御さんへの服薬指導

2015年12月14日月曜日

第19回抄読会予定


【日時】
2016/1/7(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
いぶき薬局 中島

【お題】
下痢に整腸剤はよく見かける処方だが、急性(感染性)胃腸炎による下痢症状に整腸剤は有効なのか?
 
【読む論文】
BMC Public Health. 2013;13 Suppl 3:S16.

【勉強してきたほうが良いこと】

・一般的な下痢への対処方法
・プロバイオティクスってなに?
 

2015年12月4日金曜日

第18回抄読会まとめ(エゼチミブのスタチンとの併用は有効?)


【日時】
2015/11/19(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本

【お題】
日常の調剤で、スタチンと併用、もしくは単独でエゼチミブが処方されることがままある。
アメリカでは近年食事中のコレステロール量は寄与度が少ないと言われているようなので、エゼチミブを服用することの意義を確認したい。 
 
【読んだ論文】
N Engl J Med. 2015 Jun 18;372(25):2387-97.

************************************
P 急性冠症候群で入院歴のある50歳以上の男女
I  シンバスタチン40mg + エゼチミブ10mg
C シンバスタチン40mg + プラセボ
O 心血管死、主要冠動脈イベント(非致死性心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症、
  割付から30日以上経過後の冠血行再建術)、非致死性脳卒中の複合エンドポイント
 
<割付>
ランダム割付
層別化:脂質低下療法の有無、冠症候群の種別、GP IIb/IIIa受容体拮抗薬使用の有無
Baselineはだいたい同じ
<盲検化>
医療者:〇、患者:〇、評価者:?、解析者:?
<その他>
ITT解析
追跡率 エゼチミブ併用群:6868/9067(75.7%) シンバスタチン単独群:6860/9077(75.6%)
脱落率 エゼチミブ併用群:4773/9067(52.6%) シンバスタチン単独群:4909/9077(54.1%)
サンプルサイズ α=0.0394, power = 90% 相対リスクを9.375%減少で、5250例
 
<Outcome>
Primary Outcome
 エゼチミブ併用群    2572/9067(32.7%)
 シンバスタチン単独群 2742/9077(34.7%)
 Hazard ratio 0.936 (0.89 to 0.99), NNT 50人/7年
************************************ 

 
【読んでからのディスカッション】
・エゼチミブで血管肥厚とかではないアウトカムの試験は、現状これのみのはず。
・スタチン使ってもLDLが高い場合に併用という選択肢は妥当性が高いのかもしれない
・試験中のシンバスタチンの用量が多い。日本では最大20mg
・目標LDL値が日常目にする値よりだいぶ低い。実際の値も平均値が50-60mg/dLで低い
・ストロングスタチンと比較するとどうなのかが気になる
・日常ではエゼチミブ単独処方も見かけるけど、なんでだろう。
・エゼチミブは薬価が199.9円で意外と高い
・プロトコル変更の記載があるけどどう考えたらよいのかが分からない

【ロールプレイング】
スタチンを飲んでいてゼチーアが追加になった人への服薬指導
 
 
【抄読会後追記】
 
LDL79mg/dL以上の場合はシンバスタチンを80mgまで漸増するプロトコルだったが、
漸増中の患者+80mg服用1年未満の患者は40mgへ容量を戻した上、
試験中にプロトコルが変更になっている。
FDAの推奨では、アムロジピン、ラノラジン併用の場合は20mgまでだが、
そちらは用量を変更せずに継続。
 
LDL>79mg/dL シンバスタチン80mgまで増量
LDL>100mg/dL 試験中止→より強力な治療開始

2015年11月5日木曜日

第18回抄読会予定


【日時】
2015/11/19(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本

【お題】
日常の調剤で、スタチンと併用、もしくは単独でエゼチミブが処方されることがままある。
アメリカでは近年食事中のコレステロール量は寄与度が少ないと言われているようなので、エゼチミブを服用することの意義を確認したい。 
 
【読む論文】
N Engl J Med. 2015 Jun 18;372(25):2387-97.

【勉強してきたほうが良いこと】
・エゼチミブの薬効・薬理

・コレステロールの代謝経路
・Dietary guidelines for Americans 関連の記事
 http://www.afpbb.com/articles/-/3040196
 https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_001203.html
・アメリカ心臓協会の記事
 http://blog.heart.org/qa-federal-nutrition-panels-advice-dietary-cholesterol/