福島県の地方都市会津若松でも継続的な勉強がしたいと願う若手(?)薬剤師数名で行う自主的な勉強会の連絡や行った内容をお伝えします。

当面は月に1度のEBM形式の抄読会(ジャーナルクラブ)の開催を目指します。

当人達も手探りですので、興味ある方は一緒に勉強しませんか?
こうした方がよい等のご意見も頂ければ幸いです。

2015年4月4日土曜日

第11回抄読会まとめ

【日時】
2015/4/2(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/
【お題】
高齢者のうつにSSRIが処方されることがあるが、SSRIを服用していると転倒リスクが高くなることが懸念されている。骨折リスクについて、他の抗うつ薬や抗不安薬と比較してどうかを調べる。
前回のは症例対照研究だったので、コホート研究のをリベンジ。

【読んだ論文】

P 50歳以上のカナダ人
E SSRI・SNRIを使用した人
C SSRI・SNRIの使用歴のない人
O 骨折

 コホート研究
 
<暴露>
ランダムに抽出した集団に対し、0年、5年、10年の時点ででSSRI、SNRIの使用を自主報告
シタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、venlafaxine
<記載のある交絡因子>
年齢、学歴、雇用形態、定期的な運動の有無、動かない時間、飲酒、喫煙、併存疾患数
うつ病の有無、脊柱奇形、BMD、併用薬
<その他>
masking:不明
コックス比例ハザードモデルで調整
追跡率:6645 → 5556(5年目:84%) → 4011(10年目:60%)
 
<outcome>
骨折(骨折は年1回のアンケート調査で確認)
non-user ?/3678
user    ?/333
HR = 1.88 (1.48 – 2.39)
 
【読んだあとのディスカッション】
・アンケート調査によるものなので、どの程度信頼してよいかが疑問
・脱落率が高いのでランダム抽出が保持されているかが微妙
・結果については前回の症例対照研究とあまり変わらないみたい
・maskingはアンケート調査なのでされていないと思うのがよいか?
・感度分析からSSRI・SNRIを中止して数年立てば徐々に骨折リスクは低下してくるらしい。
・この論文を選んだのはまちがいだったかもしれない。。
 
【ロールプレイング】
・SSRIを服用している高齢者に新規でビスホスホネート製剤が処方されてきた場合の服薬指導

 

2015年3月25日水曜日

第11回抄読会予定


【日時】
2015/4/2(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/
【お題】
高齢者のうつにSSRIが処方されることがあるが、SSRIを服用していると転倒リスクが高くなることが懸念されている。骨折リスクについて、他の抗うつ薬や抗不安薬と比較してどうかを調べる。
前回のは症例対照研究だったので、コホート研究のをリベンジ。
【読む論文】
Osteoporos Int. 2014 May;25(5):1473-81.
 
【勉強しておいたほうが良いこと】
SSRIの薬理

2015年3月6日金曜日

第10回抄読会まとめ(SSRIは骨折のリスクを増やす?)

【日時】
2015/3/5(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/

【お題】
高齢者のうつにSSRIが処方されることがあるが、SSRIを服用していると転倒リスクが高くなることが懸念されている。骨折リスクについて、他の抗うつ薬や抗不安薬と比較してどうかを調べる。

【読んだ論文】
Osteoporos Int. 2013 Feb;24(2):671-80.

P デンマーク国民
E SSRIの服用
C TCA、他の抗不安薬の服用
O 骨折リスク

レジストリ検索による症例対象研究
 
<集計>
個人がユニーク番号を持つ、デンマークの公的EHRから情報を収
症例群:2000年1月1日~12月31日 骨折の記録があった人 (n=124,655)
対象群:同じEHRから年齢と性別の比率が同じになるようににランダムで抽出 (n=373,962)
<暴露>
TCA(アミトリプチリン, クロミプラミン, ドスレピン, doxepin, イミプラミン, ノルトリプチリン, trimipramine, マプロチリン)
SSRI(citalopram, エスシタロプラム, fluoxetine, フルボキサミン, パロキセチン, セルトラリン)
他の抗うつ薬 (ミアンセリン, venlafaxine, ミルタザピン, reboxetine, socarboxazid, moclobemide)
(日本未承認は、ローマ字にした
<調査済みの交絡因子>
収入、配偶者の有無、職種、チャールソン併存疾患指数、骨折既往歴、併用薬、精神疾患の既往
<outcome>


















 

【読んでからディスカッション】
・若い人では、抗不安薬の方が抗うつ薬より骨折リスクがあがるみたい。
・高齢者は、SSRIによる骨折リスクが高いみたい。
 →生理学的にセロトニンが骨芽細胞を抑制して骨密度が下がりやすくなるらしい。
高齢者のSSRIによる骨折リスクは用量依存的に増えるようだ。
・その他の抗うつ薬は日本の承認外のものが多いので、比較対象としては微妙。
・骨粗鬆症の既往歴や喫煙率が同じかは不明。
 
【薬局でできそうなこと】
・SSRI服用中で骨粗鬆症の治療をされていない人にはサプリメントを勧めても良いかもしれない
・服薬指導時に高齢者の場合は骨折リスクや転倒注意の説明をするのもよいかも。

2015年2月24日火曜日

第10回抄読会予定


【日時】
2015/3/5(木) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
けやき薬局 岡本
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/keyaki/
【お題】
高齢者のうつにSSRIが処方されることがあるが、SSRIを服用していると転倒リスクが高くなることが懸念されている。骨折リスクについて、他の抗うつ薬や抗不安薬と比較してどうかを調べる。
【読む論文】
Osteoporos Int. 2013 Feb;24(2):671-80.
 
【勉強しておいたほうが良いこと】
SSRIの薬理

2015年2月5日木曜日

第9回抄読会まとめ(ワーファリンと抗血小板薬の併用)



【日時】
2015/2/4(水) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/mizuki/

【お題】
不整脈(心房細動等)でワーファリンを服用している方がいるが、抗血小板薬(アスピリン、パナルジン、プラビックス等)を併用している場合では、ワーファリン単独と比べてどの程度出血リスクが高くなるのか?

【読んだ論文】
Arch Intern Med. 2010 Sep 13;170(16):1433-41.

P 心房細動と診断され退院した30歳以上の患者
I  アスピリン、クロピドグレル単独、もしくはワーファリンとアスピリン、クロピドグレルの併用
C ワーファリン単独
O 致死性、非致死性の出血

デンマークのEHRのデータベース解析による後向きコホート研究(レジストリ研究)

<期間>
1997.1.1~2006.12.31
<解析>
cox比例ハザード回帰モデル
ベースラインの年齢、性別、治療期間、並存疾患、併用薬について調整

<outcome>
126,837人が心房細動で入院、118606人(93.5%)が生存して退院。
内82854人(69.9%)がワーファリンもしくは抗血小板薬を使用。
平均追跡期間:3.3年(SD=2.7)











【読んでからのディスカッション】
・ワーファリン単独と比較して、抗血小板薬を併用すると、出血リスクが約2~3倍増えるみたい
・特にクロピドグレルの併用はバイアスピリンよりも出血リスクが高い
・服用開始してから3ヶ月~半年程度までが出血がより多いようだ
・観察研究なので不明瞭だが、併用療法でもの凄く血栓が減るということはなさそう?
・クロピドグレルは薬価が高い。
・チクロピジンは、構造的にクロピドグレルより少し落ちるくらいで考えればよいか?
・併用療法の観察期間が総じて短いが、どの程度結果に影響を与えているのかはよく分からない
・どんな患者さんが併用療法の対象になるのかが分からない。

【薬局でできそうなこと】
・併用療法を行っている患者さんへの出血に対する注意喚起。併用薬についての指導
・追加になった場合は薬効の違いについて説明して理解してもらうよう努める

【ロールプレイング】
ワーファリン服用中にバイアスピリンが追加になった場合の服薬指導。
抗凝固薬と抗血栓薬の薬効の言い分け。高齢者でも分かるように。

2015年1月13日火曜日

第9回抄読会予定



【日時】
2015/2/4(水) 19:00~


【場所】
コロニーハウス
https://goo.gl/maps/SjJ9c
※やっていない場合は最寄のモスバーガー

【担当】
みずき薬局 馬場
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/mizuki/
【お題】
不整脈(心房細動等)でワーファリンを服用している方がいるが、抗血小板薬(アスピリン、パナルジン、プラビックス等)を併用している場合では、ワーファリン単独と比べてどの程度出血リスクが高くなるのか?
【読む論文】
Arch Intern Med. 2010 Sep 13;170(16):1433-41.
 
【勉強しておいたほうが良いこと】
後ろ向きのコホート試験って?
ワーファリン、抗血小板薬の作用機所
参考:心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)

2015年1月9日金曜日

第8回抄読会まとめ(デスモプレシン製剤の副作用の違い)

【日時】
2015/1/7(水) 19:00~


【場所】
コロニーハウス  →  最寄のモス
https://goo.gl/maps/SjJ9c

【担当】
いぶき薬局 中島
http://www.aiki-ph.co.jp/shop/ibuki/

【お題】
デスモプレシンの錠剤のミニリンメルトが2012年に発売されている。警告として「水中毒」があるが、子供の夜尿症へ使用した場合、どれくらいの頻度で起こるものなのか?また、同成分の点鼻薬と比較してどうなのか?

【読んだ論文】
J Urol. 2007 Jul;178(1):24-30.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17574054
 
P 18歳以下の夜尿症患者
I  デスモプレシンの経口製剤(錠剤、口腔内崩壊錠)
C デスモプレシンの点鼻製剤(スプレー、液)
O 副作用(低Na血症等)の頻度
 
臨床試験、症例報告、市販後調査(PMS)のシステマティックレビュー
 
<検索>
MEDLINE(1972-2006)、フェリングファーマの市販後調査資料(1972-2005)
英語の文献のみ検索
<対象>
小児夜尿症に対するデスモプレシン製剤の臨床試験、症例報告
 
<結果>
低Na血症の報告数
経口製剤  MEDLINE 0例
        PMS      6例
点鼻製剤  MEDLINE 48例
        PMS      145例
 
【読んでからのディスカッション】
・症例報告のみで頻度で比較できないので、どの程度多いのかは分からない。
・introductionにefficacyと記載があるが、有効性の違いについては検討していない。
・点鼻製剤が1981年、錠剤が1987年、口腔内崩壊錠が2005年の発売なので、
 よほど経口製剤の処方量が少なくない限りは低Na血症の発生頻度は低いと考えて良い?
・経口製剤と点鼻製剤を直接比較しているような文献は見つけられなかった。
・点鼻製剤の方がなぜ低Na血症の頻度が高いのかがよく分からない?
 点鼻という経路だと吸収が安定しないのか?
・インタビューフォーム見ると極端にT1/2やTmax、Cmaxが異なるということはなさそう
 
【薬局でできそうなこと】
・点鼻製剤→経口製剤への変更の提案
・経口製剤で低Na血症を起さない様に適切に服薬指導・モニタリングを行う。
・薬だけで夜尿症が改善するわけではないので、病院で行われている生活指導への協力が大切